ここで、筆者がFileMakerとPHPを用いたWebのデベロッパだということもあり、同席されたオ・デル氏にFileMaker API for PHPおよびWeb公開エンジンのパフォーマンスについて聞いた。

--- FileMaker API for PHPは現在、3年ほどバージョンが止まっていますが、バージョンアップの計画はありますか

オ・デル いまのところ、FileMaker API for PHPに対してアップグレードが必要だとは強くは感じておりません。いま、私たちが重きを置いて取り組んでいるのはWeb公開エンジンの「パフォーマンスと安定性の向上」です。パフォーマンス・安定性を向上させることで、ダウンタイムを極力短くできるよう、各リリースのたびにこれら2点が改善されるように取り組んできました。

オ・デル もちろん、FileMaker Proクライアント、FileMaker Server、Web公開エンジンいずれにおいてもパフォーマンスは重要な部分であり、これは将来リリースするバージョンでも引き続き改善をおこなっていきます。

--- 1開発者の意見として、Web公開エンジン上でのソート速度をもう少し速くしてほしいのですが……

オ・デル Web公開エンジン上でのソーティングが遅いかどうかについては、具体的には把握しておりません。FileMaker Server開発チームの目標は、さきほど述べたとおり「パフォーマンスと安定性の向上」です。これらの中にソート速度の改善も入っていてほしいとは思いますが、これについて具体的なところは私からお話することはできません。

オ・デル この点に限らず、FileMaker ProやFileMaker Goを使用して気づいた点があれば、メールやフォーラムなどを通じてぜひFileMakerエンジニアにコミットメントしていただければと思います。

--- マイコミジャーナルでは、「ファイルメーカー選手権」というテンプレートのコンテストを開催しています。こういう試みをどのように思われますか

エプリング 非常に嬉しく思います。通常、お客様というのは"データベース"を求めているのではなく、"在庫管理"や"スケジュール表"といったソリューションを求めています。ファイルメーカー選手権のようなテンプレートのコンテストがあることで、"データベース"という抽象的なものから、FileMakerで実現できる具体的なソリューションがお客様にも伝わります。現在の問題解決にむけて現実的な解答を求めている方や、新規のユーザ様にとって、これらのテンプレートはとてもパワフルな問題解決手段になると信じています。

まとめ ---FileMaker Goの展望は明るい

すでに日本国内で大きな市場を形成しているFileMaker Proに、ローカライズされたFileMaker Goを投入することでモバイルコンピューティングの裾野を拡大するという戦略。FileMaker Goはリリースされてからまだ時間が経っておらず、現在は導入した企業各社やデベロッパコミュニティの評価待ちという状態といったところだがが、「FileMaker カンファレンス 2010」内のブースにはすでにFileMaker Goソリューションが多数展示されており、どれも盛況を博していた。FileMaker GoがFileMaker Proと同様のビジネス向けソリューションの市場を形成するに、そう長い時間はかからないのかも知れない。

■「ファイルメーカー選手権2010」 11/23までテンプレート受付中!

filemaker

ファイルメーカー社のデータベースソフト「FileMaker Pro」で作成したテンプレートから、優れた作品を決めるコンテストです。6つのジャンル(ビジネス、ホーム、エンターテイメント、教育、医療、その他)において、ユニークでアイデアあふれるテンプレートを募集します。FileMaker Proをお持ちでない方は、FileMaker Pro公式サイトから無料評価版をダウンロードしてご使用いただけます。

各賞の受賞者にはMacBook ProやVAIOなど豪華賞品を授与します。審査員による選考のほか、読者投票による「読者賞」や学生向けの「学生賞」なども実施。学生の応募者は、1度の応募で2回受賞するチャンスです。投稿された作品は誰でもダウンロードして使用できます。

ファイルメーカー選手権2010 コンテストページにて、西村俊一氏のブログ「Factory a go-go!」をご覧いただけます。コンテスト期間中に、FileMaker関連の情報やニュース、本連載の告知などの記事を続々と掲載する予定です。お楽しみに!