クウジットは10月15日、AR(拡張現実)やGPS、無線LANによる位置推定技術などを利用した観光客の行動調査を開始したことを発表した。

今回の調査は、観光地や商業施設における空間設計やデジタルサイネージなどの効果測定、交通・都市計画での人の行動分析に対するニーズの増加を背景として行われるもの。調査には同社が開発した機器「屋内外行動分析用データロガー」と、位置連動型 観光情報配信アプリケーション「ロケーション・アンプ for 札幌」がインストールされたスマートフォンが利用される。

「屋内外行動分析用データロガー」では、同社開発による無線LANを利用した位置推定技術「PlaceEngine」とGPS測位技術、加速度センサーなどを組み合わせた観光客の行動追跡が可能で、従来のGPS単独測位では困難だった建物内部や地下などでの精度の高い測位を可能にする。

「屋内外行動分析用データロガー」(非売品)

「ロケーション・アンプ for 札幌」では、スマートフォン向けのAR技術「GnG(Get and Go)」との組み合わせによって、現在位置と連動したタイムリーな情報提供を観光客に対して行う。

「ロケーション・アンプ for 札幌」の画面イメージ

調査期間は2010年11月4日まで(調査状況によって早期終了する場合がある)。「屋内外行動分析用データロガー」を用いた行動調査の対象者は札幌市への一般観光客で、「位置連動型およびARアプリケーション」を用いた行動調査の対象者は札幌全日空ホテルとホテルニューオータニ札幌の宿泊客(宿泊客以外でも参加可能)。こちらは対象者にXperia(SO-01B)が貸与される。

なお、同調査には北海道観光振興機構や札幌市観光文化局、札幌商工会議所、札幌全日空ホテル、ホテルニューオータニ札幌、JR北海道などが協力している。

同社は2011年4月以降をメドに、今回の調査をもとにした「屋内外回遊性行動調査&解析ソリューション」の商品化を目指す。