パナソニックは28日、10.1型コンパクトモバイルノートPCの新モデル「Let'snote J9」シリーズの発表会を、パナソニックセンター東京で開催した。女性層への浸透を強く意識した同社の本気度がうかがえる。

Let'snote J9シリーズの概要については、以下の記事を参照してほしい。
パナソニック、10.1型コンパクトモバイルの新シリーズ「Let'snote J9」

冒頭で製品コンセプトを紹介したのは、パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット ビジネスユニット長の奥田茂雄氏。

パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット ビジネスユニット長 奥田茂雄氏

女性層への拡大を強くアピール

奥田氏は、まずモバイルノートPCとしてのLet'snoteの歴史を簡単に紹介し、軽量・長時間駆動の第1世代、加えて頑丈になった第2世代、そして高性能になった第3世代とまとめた。続いてモバイルシーンにおけるスマートフォンなどの小型端末とノートPCを比較し、大きな違いは「すぐに使えるかどうか」としたうえで、Let'snoteの次なる進化のキーワードとしても"すぐに使える"を挙げた。具体的には、高速CPU、高速起動、高速ワイヤレスのほか、PC本体を収納するインナーバッグを不要とし、カバンからすぐに取り出せる「ジャケットスタイル」を提案。

さらに、これまでのLet'snoteユーザーは約9割が男性だったとし、Let'snote J9では女性層への認知度アップと浸透を目指すとした。着せ替えできる専用ジャケットによる仕事もプライベートも"私らしい"をテーマに、本物へのこだわり、性能と価格、デザイン性などに敏感な女性層への拡大を図るという。

ステージ上のベールが取り払われ、Let'snote J9シリーズがお目見え

Let'snote J9を女性が使うシーンをイメージ

専用ジャケットの「シフォンホワイト」と「パンサーブラック

マイレッツ倶楽部モデルのプレミアムエディション限定となる「カーディナルレッド」と「イーグルブラウン」

1kg以下の本体とバッテリ駆動時間にはこだわる

Let'snote J9の商品説明を行ったのは、パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンター プロジェクトリーダーの星野央行氏。

パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンター プロジェクトリーダー 星野央行氏

Let'snote J9は標準電圧版のIntel Core i5/i3を搭載しているが、それを実現するためにメイン基板をとにかく小さくし、Let'snote Sシリーズと同じ冷却ファンを採用した点をアピール。ファンのエアフローも再設計し、風量を約10%アップしたという。

標準電圧版のIntel Core i5/i3を搭載したことで、従来モデルの「Let'snote R9」と比較して、Let'snote J9(店頭モデル)のハイパフォーマンスモデルでは約1.8倍、スタンダードモデルでも約1.2倍の性能アップを果たした。

また、起動時間の短縮では、独自のクイックブートマネージャーを紹介。電源投入時の初期化を高速化したり、ロゴ表示の省略、OSの起動プロセス中にサービスの読み込みを遅延させるなど、細かい改良を積み重ねている。ハイパフォーマンスモデルでは約15秒という高速起動を実現し、Let'snote R9との起動時間を比較するビデオも上映された。

Let'snote J9のメイン基板と冷却機構

パフォーマンスアップの比較

起動時間を比較した映像を公開

そのほか、安定したワイヤレス通信が可能な自社開発のアンテナ、10.1型ワイド液晶の搭載、インタフェース、リーフ型キーボード、専用ジャケットなどを紹介した。とくに、軽量と長時間駆動にはこだわっており、本体重量はとにかく"1kg"を切りたいとした。Let'snote J9の店頭モデルは、ハイパフォーマンスモデルが約0.99kgで約12時間駆動、スタンダードモデルが約0.97kgで約7.5時間駆動だ(いずれも専用ジャケット非装着時)。

ハイパフォーマンスモデルにはケースレスのSSDを採用

Let'snote R9とLet'snote J9のメイン基板

リーフ型キーボード

前面左側のインジケータとインタフェース

左側面のインタフェース

右側面のインタフェース

女性目線の開発とプロモーション&キャンペーン

3人の女性キープレイヤーによるトーク

続いて、Let'snote J9に携わった3人の女性が登場。「女性にも使ってほしいという想いが込められたLet'snote J9」を、それぞれの立場から語った。

ヒロタデザインスタジオ代表 廣田尚子氏

専用ジャケットの「シフォンホワイト」をデザインしたヒロタデザインスタジオ代表の廣田尚子氏は、「使いやすさと愛着をテーマに、素材とラインにこだわった。滑らかで優しい感触の素材や、手に持つ部分には凹凸のある素材を使うことで、持ったときにしっくりくるようにした。シンプルなデザインの中に1本のたおやかなラインを入れることで、女性らしい個性を表現している。PC関連の道具は、女性の日常やファッション的な感覚とは離れていたが、シフォンホワイトのジャケットで一歩近づけたと思う」と話した。

パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンター 設計担当 金子晴香氏

Let'snote J9の設計を受け持ったパナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンター 設計担当の金子晴香氏は、「さっと取り出してさっと使いたいときに、ジャケットが活躍する。ジャケットを取り替えることで気分も変わり、女性の方には広く使っていただきたい。喜んでいただけると思う」とした。また、リーフ型キーボードや本体デザインに関しては、「リーフ型キーボードは女性に気に入っていただけるようなデザイン、形状を工夫した。指や爪に配慮して、スムーズにタイピングできるようにした。軽量、タフ、長時間駆動というLet'snoteの特徴を踏襲しつつ、女性に受け入れられる美しいフォルムを演出するのに苦労した」という。

パナソニック デジタルAVCマーケティング本部 PCDグループ プロモーション担当 三村由里香氏

パナソニック デジタルAVCマーケティング本部 PCDグループ プロモーション担当の三村由里香氏は、女性をターゲットにした数々のLet'snote J9プロモーションを紹介。パナソニックビューティーとの連携や、女性向けのスペシャルコンテンツ、キャンペーンを展開する。詳細は「レッツノートJで女子力アップ!」を参照のこと。

インテル 次世代戦略製品事業本部 本部長 木下正明氏

インテルのアジアパシフィック地域でマーケティングを担当する江田麻希子氏

最後に、ゲストとしてインテル 次世代戦略製品事業本部 本部長の木下正明氏がスピーチし、同社のアジアパシフィック地域でマーケティングを担当する江田麻希子氏のビデオメッセージも届けられた。木下氏はまずLet'snote J9の祝辞を述べ、同社のCPUや技術を簡単に紹介。そしてインテルとパナソニックの長年にわたる協業体制に触れ、先進のテクノロジーによってパナソニックの革新的な製品に貢献していきたいと語った。江田氏によると、ビジネスでもプライベートでも、モバイルノートPCを使う女性が増えたことを実感しているという。そうしたアクティブな女性には、軽くて丈夫、長時間駆動で高性能、そしてスタイリッシュなLet'snote J9は、たいへん魅力的だとした。

「レッツノート 2010秋冬 タッチ&トライ」イベントを開催

2010年10月13日~15日の期間、東京都のJR品川駅構内で「レッツノート 2010秋冬 タッチ&トライ」が開催される。開催時間は各日とも12時~20時の予定。発売直前のLet'snote J9シリーズを実際に触れてみて、軽量小型、パフォーマンス、リーフ型キーボード、ジャケットスタイルなどを体感できるイベントだ。