前回の基調講演のレポートに引き続き、本レポートではBenQ GLOBAL DISTRIBUTROR'S MEETING 2010 TAIWANのショーケースから注目の新製品を紹介したい。
液晶ディスプレイ編
まずは国内でも発表のあった「VW2420H」および「EW2420」。基調講演でも触れられているVAタイプでLEDバックライトを採用した製品だ。現行のV2420およびV2420HもLEDバックライトだが、こちらはTNパネルであるためここが異なる。VW2420H、EW2420ともに24型ワイドサイズで1,920×1,080ドットのフルHD解像度をサポートしている。公開されている情報ではおよそ2製品とも同様のスペックで、グレーtoグレーの応答速度が8ms、コントラストは3000:1であり、8ビットカラーパネルの採用が明記されているほか、EW2420ではスピーカーが内蔵される。
VAタイプでLEDバックライトを採用しているVW2420H。入力端子はD-Sub/DVI-D/HDMI |
同じくVAパネルでLEDバックライトを採用するEW2420。入力端子はD-Sub/DVI-D/HDMI×2 |
「BL2400PT」は24型ワイドサイズのフルHD対応モニタ。VAパネルでLEDバックライトとの表記もある。最大130mmの調整可能なハイトアジャストスタンド、輝度の自動調節機能や長時間使用をユーザーに警告するアラート機能、エコセンサー等を搭載するコンフォートとエコをコンセプトとした製品だ。「GL2430HM」24型ワイドサイズ、フルHD対応パネルでLEDバックライトを採用している。グレーtoグレーの応答速度が2msと高速でダイナミックコントラストが12M:1と高く、ビデオ鑑賞用途に最適な製品とされる。「PL2400T」はカラーマネジメント向けのディスプレイだ。色差を表すデルタE(数値が小さいほうが色差が少ないことを示す)が平均2以下とされる。Adobe RGB値は公表されていなかったが、製品版での向上を目指し、AUOのパネル開発が進められているとのこと。8ビットパネルや3Dデインターレス機能も備える。
BL2400PTは低消費電力や目に優しい使用者に優しい機能を搭載したVA LEDディスプレイ。入力端子はD-Sub/DVI-D/DP |
応答速度の速い映像視聴向けディスプレイのGL2430HM。入力端子はD-Sub/DVI/HDMI |
PL2400Tはカラーマネジメント向けのディスプレイ。入力端子はD-Sub/DVI/HDMI×2でUSB×4のハブ機能も備えている |
当然デモは色再現性を比較する内容。製品化に向けてさらに色再現性を高めていきたいとのことだ |
3D対応のディスプレイも2モデル展示されていた。ひとつ目の「XL2410T」は23.6型ワイド、フルHD対応のゲーマー向けディスプレイ。120Hz駆動でNVIDIAの3D Visionに対応している。グレーtoグレーの応答速度も2msと高速だ。もうひとつはコンセプトモデル。「Polarizer 3D Monitor」は偏光方式の3D対応ディスプレイ。展示機のスペックは24型ワイドサイズでLEDバックライトを採用、とある。そのほか2D映像をリアルタイムで3D変換する機能を搭載することやコントラスト比が3000:1であることなどが記されている。液晶シャッター方式の製品よりも安価に登場することが期待される。
「USB Monitor」という18.5型ワイドディスプレイは、2分岐のUSBバスパワーケーブルで駆動するディスプレイ。うち1本で映像信号も伝送するUSBディスプレイアダプタの機能も備えている。つまりUSBサブモニタの大型版というイメージだ。通常、このサイズのディスプレイは20Wほどの消費電力があるとのことだが、この製品の消費電力はわずか9Wとされる。コンセプトであるため実際の製品とは仕様が異なる可能性はあるが、展示品での解像度は1,366×768ドットとのこと。
クラウドに関連した「IP Monitor」のデモ。1台のPCをサーバとし、3台のモニタにシンクライアント的な端末をLANで接続、各端末に接続されたキーボードとマウスからサーバ上に個別に構築された仮想OSを操作するという使い方が提案されている。なお、装着された端末自体は日本でもエルザジャパンが販売しているNComputing L300と見られるデザインだ。なお、BenQスタッフによればこれはまだ完成形ではなく、将来的にはモニタ内にこのクライアント機能を統合してしまおうと構想しているらしい。そうなれば確かに「IP Monitor」となるわけだ。