ハンディ型クレジットカードリーダーはさまざまな現場で見かけるが、これをよりインテリジェントな端末――例えばiPhoneなどで代用しようと考えている人は多いだろう。現在、アクセサリメーカー各社からはiPhoneなどのスマートフォンデバイス向けのクレジットカードリーダーが多数リリースされているが、これらメーカーのうちの米Morphieと会計ソフト大手の米Intuitが手を組み、「Complete Credit Card Solution」というソフトウェアとハードウェアを組み合わせたオールインワンのソリューションを提供しようとしている。

Morphie Marketplace

同件についてはMacworldなど複数のメディアが8月26日(米国時間)に報じている。仕組み的にはMorphieのiPhoneケースである「Marketplace」とIntuitのモバイルペイメントサービス「GoPayment」を組み合わせたもので、レジ横に据え付けた専用の読み取り機なしで簡単に決済システムが構築できる。システムの特徴は決済時間が短いことで、通常決済完了に数日かかるクレジットカードのトランザクションが、GoPaymentの最新バージョンでは15分程度で完了することだという。専用機との違いはレシートが出せないことだが、GoPaymentでは電子レシートを特定の電子メールアドレスやSMSに送信できるようになっている。

最近筆者が気になることに、全米のApple Retail Store店舗でこうしたiPhoneと専用リーダーケース、決済用のモバイルアプリを抱えて店員が走り回っていることが挙げられる。特にiPadやiPhone 4など、人気商品が発売された日には店員が全員揃ってこうした装置を持っており、購入者がクレジットカードを持っているのであれば、すぐに決済を行えるのだ。素早い対応とビジネスチャンスを逃さないという意味で、これはビジネス革命の1つだといえるかもしれない。専用のハンディリーダーの場合は個数が限られており、店舗内で融通し合ったり、レストランなどでウェイターがいちいち店の奥まで戻って装置をとってきたりと、非常に効率が悪いからだ。

GoPayment」アプリはすでにApp Storeでの提供が行われており、今回のComplete Credit Card Solutionの登場によって、Apple Retail Storeでの「Morphie Marketplace」とのバンドル商品が購入できるほか、間もなくApple Online Storeでの購入も可能になるという。現在、MarketplaceはiPhone 3Gならびに3GS専用となっているが、iphone 4用についても間もなくリリースされるという。店頭に最新ソリューションを導入してみたいと思う店主は、ぜひ検討してみてはいかがだろうか?

Intuit GoPaymentアプリの利用例。読み込ませたクレジットカード情報の確認ができるほか、iPhone端末上でのサイン、レシート送信などが行える。画面上でのサインはタッチスクリーン端末のiPhoneならではだ