WebMatrixのインストール

WebMatrixをインストールする際はWeb Platform Installerを用い、Web Platform Installerはこのページから入手することができます。

Web Platform Installerを起動し、「Getting Started」タブの「Install WebMatrix」ボタンをクリックします。これでインストールは完了です。

Web Platform Installer(Web PI)の入手

WebMatrixをインストール

WebMatrixの起動

スタートメニューの「Microsoft WebMatrix」をクリックすると、WebMatrixのスタートアップ画面が起動します(注:現バージョンでは日本語入力にIMEを使用しているとエラーが発生しますので、別の日本語入力を選択するようにしてください)。

新しいサイトを作る場合は「Site From Template」、作成中のサイトを選ぶ場合は「My Sites」を選択します。もし既存のオープンソースなどを使ってWebサイトを構築したい場合は「Site From Web Gallery」を選択します。現時点で27種類のアプリケーションが用意されており、DotNetNuke、BlogEngine.NETなどが含まれています。

スタートアップ画面

WebMatrixでCMSのDotNetNukeをダウンロードしてセットアップ

Razorによるプログラミング

続けて、新構文Razorのコード例を見てみましょう。NewボタンをクリックしてASP.NET Web Pagesを追加します。

新しいファイルを追加

C#とRazorの構文を使いたい場合はCSHTMLを選択します。VB.NETを使いたい場合はVBHTMLを選択します。Razor構文の書き方はPHPやレガシーASPに似ており、HTMLの中にコードを埋め込んでいきます。エディタはHTML部とコード部を自動的に判別して色分けしてくれます。

入力した名前を表示するRazorのプログラム(index.cshtml)

Razorでは@記号を使って動的なコードを記述します。このプログラムでは「@if{~}else{~}」を使って条件分岐を行い、@Request変数(System.Web.HttpRequestWrapperクラス)を使ってサーバに送信された値を読み込んでいます。

豊富なRazorのヘルパー

Razorには複雑なHTMLを出力できる「ヘルパー」という仕組みも用意されています。例えば、「@Twitter.Profile("アカウント名")」と書くだけでTwitterのつぶやきを表示できます。

Twitterヘルパーでツイートを表示

ヘルパーには以下のようなものが用意されています。

ユーザーエクスペリエンス系

名称 概要
Chart チャートを表示
FileUpload ファイルアップロードと保存
Video Flash(swf)、MediaPlayer(wmv)、Siverlight(xap)の動画を表示
WebGrid 表形式の表示、ページング
WebImage 画像の表示、回転、リサイズ、ウォーターマーク追加、保存

ネットワークサービス系

名称 概要
Analytics Google Analytics、Yahoo Analyticsのトラッキングコードを出力
Facebook Facebookの「いいね!」ボタンを表示
GamerCard XBox 360のゲーマーカードを表示
Gravatar Gravatarのアバターを表示
LinkShare del.icio.us、Google Buzz、Facebookなどのソーシャルリンクを表示
Recaptcha 不正な投稿を防ぐreCAPTCHAを表示
Twitter Twitterのツイートを表示

プログラムサポート系

名称 概要
Crypto MD5ハッシュ値の計算
Database DBのオープン、SQL文の実行
Mail SMTPサーバの設定、メール送信
ObjectInfo 変数名と値を表示(デバッグ用)
ServerInfo サーバ環境の情報を表示(デバッグ用)
Recaptcha 不正な投稿を防ぐreCAPTCHAを表示
Validation バリデーション、妥当性チェックの実施
WebCache Webキャッシュの登録、削除、使用
WebSecurity アカウント管理、ログイン、メンバーシップ、ロール管理

以上、WebMatrixとRazorについて紹介しました。RazorにはWeb開発に必要な機能が一とおり備わっています。例えば、@Render~命令を使うことでマスタページより柔軟なページの再利用と共通化を行うことができます。また、初期設定や共通エラーハンドラも設定できます(ファイル名が「_start.cshtml」であればWebサイトの起動時に、「_init.cshtml」であればリクエスト時に実行されます)。

こうした点から、初心者はもちろんのこと、WEB開発のエキスパートであってもWebMatrixとRazorで快適にWebプログラムを行うことができます。興味を持たれた方はダウンロードしてみてはいかがでしょうか。