市場調査会社の米NPD Groupは8月4日(現地時間)、2010年第2四半期の米国におけるスマートフォン市場シェア調査結果を発表した。それによれば2007年第4四半期の調査開始以来、これまでトップに君臨していたRIMのBlackBerryに代わり、初めてOS別シェアでAndroidが首位を奪取したという。また売れ筋商品として、トップのMotorola Droidに続き、HTC製スマートフォンが2~5位までを占めるなど、米国におけるAndroid市場はこの2社が牽引している様子がうかがえる。

OS別シェアを具体的な数字で挙げると、1位がAndroidで33%、2位がBlackBerryで28%、3位がApple iPhoneの22%となる。BlackBerryは前回第1四半期の調査報告から一気に8%以上のシェアダウンとなった。Webアクセスのトラフィック解析でシェアを算出するAdMobなどの調査とは異なり、NPDの調査データは小売店舗での流れをまとめて算出するタイプのもののため、実際の販売台数シェアが形として出てくる点で特徴がある。すでに前回のNPDの調査報告でAndroidがiPhoneを販売台数で抜いたことが報告されていたほか、AdMobなどが提示するWebトラフィックベースの米国シェアで両者の逆転がみられる。また直近のNielsenの調査報告でもAndroidとiPhoneの逆転現象がみられており、勢いからみてもAndroidがほぼ米国におけるスマートフォン普及の原動力になりつつあるようだ。

なお、同四半期に売れたAndroid端末トップ5は下記のようになる。

  1. Motorola Droid
  2. HTC Droid Incredible
  3. HTC EVO 4G
  4. HTC Hero
  5. HTC Droid Eris

このように2社がほぼランキングを占有している形となるが、一方でHTC EVO 4Gにみられるように、パネル供給不足で端末が発売開始数日で売り切れとなり、いまだに供給が滞っている状況が続いている。つまり販売機会を逃す状態が続いており、もし参入メーカーや製品ラインナップが充実し、商品が潤沢に出回るようになれば、この販売の伸びはさらに加速する可能性がある。

またAndroidなど新興勢に押され続けるBlackBerryも、新製品投入で巻き返しを狙うチャンスが到来しつつある。先日発表されたばかりの「BlackBerry 6」のシステムでは、静電式タッチパネルUIのサポートのほか、WebKitブラウザの採用など、これまでBlackBerryが苦手としてきたブラウザ機能やタッチUIの大幅改善が図られている。年末に向けてさらに商品が出揃うことになるとみられ、ユーザーにとって目移りする日々が続くことになるだろう。