iPhoneやiPadでは通常、指でなければ画面へのタッチ動作を認識しないが、一部メーカーからはこうしたデバイスでのタッチ入力を可能にするペンやスタイラスが発売されている。だが標準のタッチセンサーではペンの接触/非接触を認識するのみで、ドローイングソフトやメモ書きアプリでの筆圧の違いによる線幅変更などの細かい操作は行えない。ところが米Ten One Designが開発したソフトウェアライブラリと専用ペンを組み合わせれば、iPadでもこうした筆圧検出を使ったドローイングが可能になるという。

Ten One Designの開発した技術は、下記のデモをご覧いただくのが早いだろう。


7月1日(米国時間)に公開されたこのデモでは、筆圧により自由に線幅を変更した書き込みが可能になっていることがわかる。同社によれば、こうした筆圧認識をサポートするための無料のソフトウェアライブラリを提供することを計画しており、これを組み込むことでどのアプリでも筆圧認識が可能になるという。だがこのライブラリでは筆圧認識に必要な情報取得のため、Appleからは認められていないiOSのプライベートAPIへのアクセスを行っているという。そのため、この提供が実際に認められるかどうかはまだ保証できないというのが実情のようだ。

また上記のYouTubeデモでは、実際のペンの動きに対して、筆跡が表示されるまでに若干のラグがあることが確認できる。Ten One Designによれば、これはiPadやライブラリの問題ではなく、同社がデモ用に起こしたドローイングアプリのコードの問題だという。