米Verizon Wirelessと米Motorolaは6月23日(現地時間)、Android携帯「DROID X」を発表した。1GHz動作のOMAPプロセッサ、4.3型のワイドスクリーン・ディスプレイを装備しており、Motorolaは同端末を「ポケットサイズのホームシアター」とアピールしている。

iPhone 4発売の前日に行われた発表イベントには、Adobe SystemsのCEOのShantanu Narayen氏が参加、またGoogle CEOのEric Schmidt氏も登場した。DROID XはAndroid 2.2 (Froyo)世代のAndroid携帯であり、Flash Player 10.1搭載を武器にiPhone 4に対抗する。

DROID Xのプロセッサは、ARM Cortex A8ベースのTexas Instruments「OMAP 3630」だ。動作周波数は1GHz。45nmプロセスで製造されており、初代DROIDのOMAP 3430(550MHz動作)よりも大幅に少ない消費電力で最大2倍の処理性能を実現するという。マルチタスク、リッチなマルチメディア、データインテンシブなアプリの処理などに求められるパフォーマンスを効率的に引き出す。同プロセッサにTexas Instrumentsのコネクティビティソリューション「WiLink 6.0」が組み合わせられており、DROID XはモバイルWLAN(Wi-Fi)、Bluetooth v2.1+EDRをサポートする。またロケーションサービス用にGPSを備える。

タッチスクリーンは、4.3型のWVGA (854×480)ディスプレイだ。800万画素のカメラ、デュアルLEDフラッシュを装備し、720pのHDムービーの撮影が可能。編集ツールも用意されている。撮影したムービーはHDMI端子経由で外部に出力できる。

初代DROIDはスライド式のQWERTYキーボードを搭載していたが、DROID Xはオンスクリーンキーボードのみ。代わりに、キーボードから指を離さずスライドさせながら単語を入力できる「Swype」を採用した。同ツールに慣れれば、1分間に50単語以上を入力できるそうだ。本体サイズは65.50×127.50×9.90ミリで、155グラム。ディスプレイは大きくなったが、ハードウエアキーボードがなくなったことで、初代DROID(60.00×115.80×13.70ミリ、169グラム)よりもスリムになった。内蔵メモリは8GB、16GBのmicroSDカードが付属する。

"Froyo"世代のAndroid携帯だが、しかし……

米国での発売日は7月15日。Android 2.2とFlash Player 10.1がiPhone 4対抗の目玉になるが、まずはAndroid 2.1を搭載した状態で出荷される。夏後半にAndroid 2.2へのアップデータが提供され、同時にFlash Player 10.1が利用可能になる。iPhone 4へのユーザー流出を抑えるために、このタイミングで発売に踏み切ったと考えられるが、しばらくAndroid 2.2で使用できないのは残念なところだ。

本体価格は、2年間のサービス契約で299.99ドル。DROID Xは、PCを含む最大5台のデバイスと3Gデータサービスを共有する3G Mobile Hotspot機能をサポートしており、Verizonは同サービスを月額20ドルで提供する。