書棚を見るとその人物の性格や趣向がわかるとよく言われるが、たしかにそれはあると思う。きっちり分野別に分類して、五十音順にならべている人もいれば、購入した時系列順にならべる人もいるだろう。同様のことがデスクトップのアイコンにもあらわれるのだと思う。

最近おこなわれた"デスクトップアイコン整理に関する調査(アイシェア)"によると、デスクトップアイコンの整理はどのくらいしていいるか?という問いに3カ月以上の間に1回というユーザーが43%を占め、部屋の整理具合とデスクトップの整理状況に一定の相関関係が見られると同社は分析している。

悩ましいことだが筆者にもなかなか耳の痛い話である。"デスクトップ"は縦横の2次元に、ディレクトリという深さを加えた3次元管理なのであるとは思うが、時系列を加えた管理手法はマネジメントの世界には存在する。GTD(Getting Things Done)という個人ワークフローの管理手法がある。デビッド・アレン氏が提唱するLifeHackの一手法とされ、5つのステップ(収集/処理/整理/見直し/実行)で仕事などのタスクを管理する手法だ。

仮にこの概念を抽象化して筆者なりにデスクトップ管理に反映するのならば、"1"から"5"までの五つの番号付きのフォルダを作成し、1フォルダにはブレストのように残しておきたいすべてのものを放り込んでおき、2フォルダにはその中からやるべきものを切り取り貼り付ける。

3フォルダの下にはやるべきタスクごとのフォルダを作成しておき、フォルダの中にはタスクごとの具体的なアクションのメモ書きを作成する。4フォルダには3フォルダの中のファイル構成を

dir /S > data.txt

などのコマンドを使ってテキスト保存(3フォルダのファイル/フォルダ名を保存)、バッチ処理とタスクスケジュールで、自動化しておく。これにより4フォルダの中のdata.txtで進捗状況を確認する。5フォルダには現在進行形のタスクを保存しておく。こんな具合になるだろうか。

例えば、3フォルダの階層をテキスト保存して

タスクの進捗評価する

「Fences」

これら手法は、あくまで仕事や業務と言った目標が明確なファイル管理であって、デスクトップという趣味と仕事がいり混ざる環境で必ずしも完全に応用できるわけではない。しかし、フォルダを使ってデスクトップを管理することは、ベーシックな整理方法なのだ。

今回紹介する「Fences」は、デスクトップを整理するために作成されたアプリケーションである。フォルダを作成してうんぬんすら面倒くさいというユーザーには打って付けのソフトだ。Stardock社のWebサイトからダウンロードを行い、インストーラー(fences_public.exe)をダブルクリックするとインストールが開始する。インストール終了後、再起動するとFencesのポップアップ画面が表示される。ここで「Start using Fences」を選択する(図1-3)。

図1 Stardock社のFencesオフィシャルサイト。"Free Download"で無償バージョンをダウンロードする

図2 fences_public.exeをダブルクリックするとインストールが開始する

図3 「Start using Fences」を選択する

次に[Just create a couple fences][Sort out my icons]の二つの選択肢が提供される。大量のアイコンなどがある場合には、後者を選択すると自動的にデスクトップ上のエリアに種類別に整頓して表示してくれる。ここでは、前者を選択する(図4)。

図4 [Just create a couple fences][Sort out my icons]の二つ。ここでは前者を選択

設定画面が表示される。画面に表示されているのは、現状のFencesの設定になる。デスクトップにはすでにこの画面と同様にPorject1/2が設定されている。設定されているエリアはまさしく"フェンス"に囲まれた独自のデスクトップエリアとしてユーザーが任意にファイルやフォルダを設置できるのだ(図5)。

図5 設定画面と実際のデスクトップ上の"Fences"

設定画面の中央上部にあるプルダウンメニューではデスクトップ上のレイアウトを設定できる。すべての配置を試してみた(図6-12)。

図6 Bottom(2 Fences)

図7 Left&Right(2 Fences)

図8 Bottom & Right(2 Fences)

図9 Right side(2 Fences)

図10 Right(Double)(2 Fences)

図11 Top and Bottomm(2 Fences)

図12 Top-left & Right side(2Fences)