発表会ではさまざまなソリューションが紹介されたが、今回の主役は間違いなくAtomだ。発表されたばかりのMoorestownを含め、最新製品を惜しげもなく披露しており、Intel同分野にかける意気込みがよく伝わってくる。この小型モバイルデバイス向けAtomプラットフォームにAndroidを載せたスマートフォンのほか、MeeGoやIntel版App Storeとも呼べるAppUpの成果を披露するなど、少しずつ採用例や実績が増えつつある点を強調する。

今回のCOMPUTEXでは、Intelは特にAtomソリューションを重点的にアピールしていたことが印象的だった。写真はMoorestownベースのプラットフォームにAndroidを搭載したスマートフォンで、もう一方はMeeGoを搭載したタブレットだ

今回のCOMPUTEX TAIPEIで新たに発表された事項の1つは「Canoe Lake」という薄型ノートPCプラットフォームだ。ネットブックの技術をベースにしているようだが、その最大の特徴はハーフインチ(14mm)の本体厚にあり、とにかく薄くて軽いモバイルに適したノートPC型マシンをリリースすることを目標にしている。米Intel EVPでインテルアーキテクチャ部門(IAG)ジェネラルマネージャDadi Perlmutter氏のキーノートでは外見が軽く披露されて実働デモが見られただけだったが、後になって開催されたIntel主催の発表会では、米Intel VPでPCクライアント部門ジェネラルマネージャのMooly Eden氏が米Apple CEOのSteve Jobs氏がMacBook Airを紹介したときのデモをもじった演出でその薄さをさらにアピールしている。

米Intel EVPでインテルアーキテクチャ部門(IAG)ジェネラルマネージャDadi Perlmutter氏のキーノートで紹介されたIntelのコンセプト・ネットブック「Canoe Lake」。登場は今年末以降となるが、ハーフインチ(約14mm)という超薄型筐体を最大の特徴としている

Canoe Lakeの薄さをアピールする米Intel VPでPCクライアント部門ジェネラルマネージャのMooly Eden氏。封筒から薄型ノートPCを取り出し、その薄さをアピールするものだが、実は封筒にはさらにもう1つのノートPCが入っているという薄さをことさら強調する戦略だ。これはMacBook Airを紹介したときの米Apple CEOのSteve Jobs氏の演出のパロディになっている

このほか、COMPUTEXのタイミングでは「Pine Trail-M」が正式リリースされている。これはデュアルコアのネットブック向けAtomプロセッサで、4スレッド同時動作が可能だ。仮想化や管理機能を含むさまざまな面でCoreシリーズのプロセッサとは差別化が図られているが、ネットブックの手軽さに魅力を感じる反面、非力さをデメリットだと感じているユーザーには適したソリューションかもしれない。

デュアルコアで4スレッド動作が可能なネットブック向けAtomプラットフォームの「Pine Trail-M」が登場。ネットブックの手軽さには魅力を感じるが、非力な点に躊躇していた人にはお勧めだろう