ソニーは6月2日、ファッショナブルなヘッドホンの新シリーズ「PIIQ」(ピーク)を発表した。デザイン性と音質、装着感、耐久性などのクォリティの両方を追求したもので、オーバーヘッドタイプの「MDR-PQ1」「MDR-PQ2」「MDR-PQ3」、インナーイヤータイプの「MDR-PQ4」「MDR-PQ5」の計5機種がラインナップされる。発売は、いずれも6月21日を予定。

デザインとクォリティを追求する新シリーズ「PIIQ」。本体にはシリーズ「PIIQ」のロゴが大きく扱われているのに対し、ソニーのロゴは、内側やプラグ部分などの目立たない部分に入れられている

PIIQシリーズは、もともとアメリカ市場向けに開発されたヘッドホン。アメリカ市場では、若い世代に向けたデザイン性の高いヘッドホンの売れ行きが好調で、08年に比べて、09年度は、約2倍の市場規模となっている。しかし、中には、デザイン性だけ優先し、音質などを軽視するモデルも見られるようになってきているとのことだ。そこで、現在、ヘッドホンの世界シェアNo.1となっている同社が、デザイン性だけでなく、音質、装着感、素材の品質などのクォリティも追求したモデルとして企画開発したのが、PIIQシリーズ。ブランド名のPIIQは、peakをイメージした造語。限界をさらに押し上げるという意味とされている。PIIQは、本来、アメリカ市場向けの製品だったが、国内でもアメリカ同様の動きが見られることから、今回、逆輸入という形で、国内市場へ投入されることとなった。なお、PIIQ以前にも、bloggieなどが、同様の経緯で国内販売されている。

シリーズを構成する5機種は、MDR-PQ1/PQ2/PQ3がオーバーヘッドタイプで、MDR-PQ4/PQ5がイヤーレシーバータイプ。そのうちMDR-PQ1/PQ2/PQ4が密閉型で、MDR-PQ3/PQ5はオープンエアー型を採用している。

シリーズのフラッグシップモデルとなるのがMDR-PQ1。ヘッドバンド部分の長さを固定できる「スライダーロック機構」を装備するが、このヘッドバンドのバックル部分は、ロゴデザインをグラフィック処理したピンク色の樹脂の上にブラックの塗装を施したもの。使用していて傷が付いた場合に、下地の色が現れるという仕掛けだ。ヘッドホンは、傷が付かないようにというのが一般的だが、MDR-PQ1では、傷が付くことによって、1本ごとに違った味が出るということだ。また、自然な傷だけでなく、表面を削ることで、自分のイニシャルなどを刻むことも可能だ。

フラッグシップモデルのMDR-PQ1は、傷が付くことで味の出るデザイン

薄型でフラットなハウジングを採用する「MDR-PQ2」

軽量なオープンエアータイプの「MDR-PQ3」

MDR-PQ2は、ファブリック素材のヘッドバンドと薄型のハウジングを装備したカジュアルモデル。ヘッドバンドの長さを変更するためのスライダー部分とハンガー部分とを、カバーで覆うことで、髪の巻き込みを防ぐ構造を採っている。また、ハウジング部分をフラットで薄型とすることで、装着しているときや持ち運び時に邪魔にならない構造。ハウジングが薄くなると、低域の出方などが気になるところだが、同社によると、薄型ではあるが、ハウジング内の容積は、幅を広く取ることでカバーしており、また、振動板の素材や、チューニングにより、迫力のあるサウンドを実現しているとのことだ。MDR-PQ2は、グレー、グリーン、マルチの3種類のカラーが用意されており、なかでも、マルチは、左右非対称のデザインとなっている。

MDR-PQ3は、ピンク、イエロー、マルチ、ブラックの4色を用意。傷や衝撃などからハウジングとヘッドバンドを守るため、ラバー素材のカバーが採用されている。

インナーイヤータイプのMDR-PQ4は、硬度が異なる2種類のシリコンを組み合わせたハイブリッドイヤーピースの採用する、耳栓タイプ。高い密閉度を実現している。また、大型のイヤークリップにより、動き回っても外れにくい構造。ブラック、ピンク、マルチ、グリーン、ブラウン5色が用意される。MDR-PQ5は、スタンダードなインナーイヤータイプで、ピンク、イエロー、マルチ、グリーンの4色が用意される。

大型のイヤークリップを採用する密閉型の「MDR-PQ4」

スタンダードなインナーイヤータイプの「MDR-PQ5」

MDR-PQ1~PQ5までのすべてのモデルで、ドライバーにはネオジウムマグネットを使用。コードは、すべてのモデルで両出しのY字型を採用する(コード長は約1.2m)。また、オーバーヘッドタイプには、フラットコードを採用。フラットコードは、きしめんのような形状のコードで、PIIQシリーズに採用されているものは、一般的な断面が丸形のコードに比べて高い強度を持ち、断線に強く、さらにかばんの中などでも絡みにくいという特徴があるとのことだ。

MDR-PQ1のコードは、ハウジング部分にコネクターを装備した着脱式で、コネクター部分にはゴム製のループ式コードホルダーを採用。コードが引っ張られて、プラグが抜けても、コードがハウジングから脱落しないようになっている。インナーイヤーモデルでは、コードスライダーを採用。これは、Y字型になっているコードの分岐部分の上にコードをまとめるためのパーツが取りつけられており、それを、上(ヘッドホン側)にスライドさせることで、左右のコードが1本にまとまり、持ち運びの際に絡みにくくなるというものだ。

型名 ドライバーユニット 質量(コード除く) 価格
MDR-PQ1 40mm 約255g 1万2,390円
MDR-PQ2 30mm 約135g 6,195円
MDR-PQ3 30mm 約95g 3,675円
MDR-PQ4 9mm 約8g 3,098円
MDR-PQ5 13.5mm 約6g 1,838円