では、実際にApp StoreにおけるiPadのビジネス規模はどの程度なのだろうか。「Weather HD」を開発しているVimovが、同アプリのAppleによる承認から実際にApp Storeへの登録、そして以後の販売状況をもって市場サイズを予測している

iPadの「Top Paid」ランキングにおける有料アプリの販売数を推測し、4月15日時点でのiPad有料アプリTop 100の総売上が304,058ドル、これがTop 1,000になると372,649ドルになるという。ランキング外に外れたアプリはほとんどダウンロード数としてカウントされないため、これが1日当たりの大まかなな売上となる。なお、Top 10の有料アプリだけで売上全体の32%を占めているという。

この372,649ドルという数字を単純に年間売上に換算すると1億3,600万ドルとなるが、これはiPadの販売台数の伸びを加味していない数字のため、実際にはより大きな規模となる。28日のiPadの世界ローンチでApp Storeの規模が拡大し、これがもしiPhoneローンチのときと同様の増加を見せるとすれば、売上全体の約半分が米国外のストアからのものとなる。つまり2億7,200万ドル程度の市場規模になるのではないかとの予測だ。

また、iPhoneがApp Store公開から3カ月後の2008年9月にアプリの100万ダウンロードを達成し、その翌年9月に20億ダウンロード、さらに今年4月に40億ダウンロードを達成したことを考えれば、iPadのアプリ市場は年間10億ドル規模に達するのではないかとVimovでは考えている。

iPadアプリで最も数の多いカテゴリは? アプリの平均価格は?

最後がApp Storeにおける現在のiPadアプリ動向だ。Distimoが4月30日に発表したデータによれば、4月26日時点でのApp StoreにおけるiPadアプリの数は4,870で、4月3日のiPad販売開始からおよそ2週間で32.7%ほど増加しているという。カテゴリとして最も数が多いのがゲームで32%(1,577タイトル)、ついでエンターテイメントが455、本が396となっている。またiPhone用アプリ186,414中、有料アプリの割合が73%なのに対し、iPadでは4,870中の80%と比率が若干高くなっている。

有料アプリの価格については、iPhoneが平均で3.82ドルなのに対し、iPadでは4.67ドルと若干だが高くなっている。iPad用アプリで最も値段が高いのが医療や金融系アプリであり、それぞれ平均が42.11ドルと18.48ドルとなっている。これはiPhone用アプリと比較すると顕著に高い設定であり、iPhoneにおける同カテゴリの平均はそれぞれ10.74ドルと5.74ドルとなっている。

まだスタートしたばかりの段階だが、急速にiPad対応アプリが増えつつあること、そして価格面でのプレミア戦略が現時点で通用していることがポイントとして挙げられるだろう。とはいえ、ユーザーの数が増え、対応アプリの数が増えるに従い、しだいに競争が厳しくなり、特に価格設定の面で値下げ圧力が強まる可能性があるだろう。