iPadにおける広告付き動画配信では、1時間あたり5つの30秒スポット広告が挿入され、代わりにユーザーは無料で番組を視聴できる。さらに、Webなどでの同種機能との違いとして、iPadユーザーがiTunes Storeで同TVエピソードを購入できるリンクが用意されていることが挙げられる。

同アプリでの広告スポンサーには、Clorox、Lexus、AT&T、Heineken、Sears、Targetなどが名を連ねており、ABC親会社のDisneyも同種の30秒広告をTVスポットで配信しているという。今秋にはWeb版プレイヤーにもやはり同種のインタラクティブ広告の配信を開始し、広告主への販売を行っていくようだ。最終的には、Web版プレイヤーに搭載されているのと同種の位置情報機能を使って、iPadの閲覧者にもローカル広告を挿入していく計画だ。

Disney-ABCプレジデントのAnne Sweeney氏は、この立ち上がりにおけるユーザーの反応に満足しているようだ。同氏は「すべてのユーザーがすべてのエピソードの購入に向かうわけではないし、あるいはストリーム配信を望んでいるわけではない。今回のサービスは彼らの望む利便性と方法を提供するものだ」とコメントしており、結果として比較的よい感触得られたことを強調している。

今回のインタビューで1つ興味深いのは、このランキング上位常連の人気アプリも、iPadの実機を使って開発されたわけではないという点だ。WSJによれば、同社エンジニアはAppleから提供されたエミュレータのみで開発していたということで、ABCの親会社であるDisneyの個人筆頭株主で役員のSteve Jobs氏という存在がありながらも、ABCだけが例外的にiPadのプロトタイプを借用する……といった訳にはいかなかったようだ。

なお他のiPadアプリと同様、このABC Playerも初期リリースでのバグやクラッシュ報告が多く、すぐに改修を施したアップデート版のリリースを行っている。