消費電力

さて、GTX 480では、スペック上は250Wというかなり派手な消費電力が示されているだけに、問題の消費電力テストだ。以下のグラフの数値はワットチェッカーでシステム単位の消費電力を測ったもので、「ピークGT1」は3DMark VantageのExtreme設定でGame Test 1実行時のピーク、「ピークGT2」は同Game Test 2実行時のピーク、「アイドル」はOS起動後の何もしていない安定状態時の値だ。

トップを狙える性能だが課題も

以上、ここまで見て来ての通りだが、GeForce GTX 480は、GeForce陣営に最強GPUの称号を奪還できたと言ってしまっても差し支えないだろう。前世代のGeForce GTX 285は当然として、ライバルのRadeon HD 5870も上回った。ただ、Radeon HD 5800シリーズの登場から相当な月日が経ってしまっており、性能でもDirectX 11サポートでもかなり期間、ライバルに遅れをとり続けてしまっていた。今回のFermi世代でどこまで巻き返せるか、楽しみなところである。

しかしながら、課題をあげるとしたら、Radeon HD 5970すらも超えてしまう消費電力だ。まぁ、このクラスの製品が必要なユーザーには、性能こそが至上命題なのであって、ことさら電力を問題にするとは思えないが、現在の消費電力のままでは、単体カードにGTX 480を2基積んだような製品は想像しにくい。GTX 480は、シングルGPUでは確かにトップ性能だが、デュアルGPUとは言えHD 5970には追いついていないのだ。なお、NVIDIAでは、GF100の世代ではSLIによる性能アップの高効率化もアピールしている。今回は試せなかったが、SLI構成でどうなるかも細かく検証してみる必要がある。

今回の性能検証では日本HPの30インチ液晶「HP LP3065」を利用した

ところで、本稿でも30インチの液晶を用いて性能検証をしたわけだが、もはやハイエンドは、"最低"でも24インチのWUXGA液晶といったレベルに達してしまった感がある。GTX 480クラスを導入するのであれば、GPU以外の環境にもそれなりに投資をしないと、性能を最大限に活かすことができず、ちょっと宝の持ち腐れになってしまうだろう。