三洋電機は26日、ポータブルナビ「ゴリラ」の新モデル「NV-SD740DT」「NV-SB570DT」「NV-SB550DT」を発表した。発売日は、NV-SD740DTが4月28日、他の2モデルは4月22日。価格はオープンで、市場価格は、NV-SD740DTが8万円前後、NV-SB570DTが7万円前後、NV-SB550DTが6万5,000円前後と予想される。
ゴリラシリーズは、初代モデルの発売以来15年を数える、国内PNDの草分け的存在。2009年は、国内市場におけるPNDのシェアの50%を同シリーズが占めていた。
新モデルの製品ラインナップは、NV-SD740DTが、7.0V型液晶パネルを採用するモデルで、他の2モデルは、5.2V型の液晶パネルを採用するモデルという構成。NV-SB550DT以外はFM-VICSを内蔵する。NV-SD740DTのみ内蔵バッテリーが搭載されておらず、屋外での使用にはオプションの電池パック(MVP-DP20)が必要となる。また、すべてのモデルに、録画やデータ放送にも対応したワンセグチューナー、FMトランスミッターが搭載される。なお、新モデルでは、購入後1年間の盗難補償も付属する。
SSD容量のアップで、地図とAV機能をより便利に
新モデルでは、昨年モデルでは8GBだったSSDの容量を、16GBに増大。これにより、搭載されている地図ととAV機能の両面で、大幅な機能アップが図られている。
まず、搭載されている地図では、全国の道路のすべてで道幅表示を実現。従来は、郊外や山間地などでは、道路は線で表示されていたのだが、新モデルでは、地図上の道路は実際の道の幅に対応した太さで表示される。また、目印になりやすい川などの地形も、縮尺に合わせて表示されるようになった。
もう1つが、詳細地図の縮尺追加。従来機では、詳細地図での表示は、12mスケール、25mスケールの2段階だった。新モデルでは、これに5mスケールと50mスケールを追加。都市部でのより正確なナビゲートが可能になる。なお、詳細地図は全国で約1,300エリアが収録されており、そのすべてで、5m/12m/25m/50mのスケールを利用可能だ。
AV機能では、「Myストッカー」機能の搭載が大きな変更点。従来機では、音楽などのメディアファイルは、SDメモリーカードからのみの再生となっていたが、新モデルでは、拡大したSSDの容量の一部(約1.5GB)を「Myストッカー」用の領域としてユーザーが使用できるように解放している。音楽ファイルの場合約400曲、動画の場合約400分、静止画の場合約750枚を、本体内に保存でき、そこから再生させることが可能になった。
ポータブルナビの弱点だった、測位までの時間を短縮
GPSでは、4基以上の衛星からの電波を受信して、それをもとに現在位置を計算する。ところが、衛星からの電波の受信には時間がかかる。車載型のナビの場合には、GPS以外のセンサーからのデータによって、大まかな現在位置を知ることができるため、起動時から現在地を表示可能だが、ポータブルナビでは、電源を入れても、数十秒~数分は、測位が完了しないというケースがあった。新モデルに搭載されている「クイックGPS」は、この点を改善するための機能。GPS衛星から送られてくる信号は、大まかにいうと、衛星の位置情報、衛星の軌道情報、時刻情報の3種類。クイックGPSでは、このうち、衛星の位置情報と軌道情報を本体内に保存。起動時には、このデータを使用し、時刻情報のみを取得して測位を行うというもの。約10秒で測位置が完了する。衛星の位置情報、軌道情報は、最後に電源を切ってから3日間、保持される(それ以上長期になると誤差が大きくなりすぎるとのことだ)。
5.2V型液晶モデルは「あるくナビ」機能を搭載
ポータブルナビには、車から降りた後でも使用できるというメリットがあるが、車用のルートと、人があるくルートとでは、最適なルートは異なる。「あるくナビ」は、歩行者向けのルートを表示するための機能。ジャイロセンサーと加速度センサーを組み合わせた「ゴリラジャイロII」の採用により、地上だけでなく、地下街など、GPS電波の届かないところでも使用可能だ。階段や歩道橋などがマークで表示されるほか、横断歩道が、黄色く表示されるなど、より、歩いての移動にマッチした表示が行われる。
さらに、歩行時には本体を縦に持ち変えることで、縦型表示に切り替わる(ボタンでの切り替えも可能)。これにより、進行方向を、より遠くまで表示させることが可能だ。また、内蔵バッテリーでの連続使用時間も、従来の3時間20分から、4時間30分へとアップしている。