Intelは3月17日、32nm High-K/メタルゲート(HKMG)プロセスを採用したサーバ向けプロセッサ「Intel Xeon 5600番台」(開発コードネーム:Westmere-EP)を発表した。

6コアに対応したサーバ向けプロセッサ「Intel Xeon 5600番台」

最大6コアを搭載し、TDP130Wで動作周波数が4コア版で3.46GHz、6コア版で3.33GHzの製品が用意されたほか低電力版としてTDP60Wの6コア品「L5640」および4コア40W品なども用意されている。

Intel Xeon 5600番台のラインアップ

このため、6コアでHyper-Threading Technology(HT)の活用することで、既存の45nmプロセス採用「Xeon 5500番台」と比べ、パフォーマンスは約60%向上するという。Intelでは、「Xeon 5600番台を活用することにより、15台の1コアXeonプロセッサ(3.8GHz)を搭載するサーバの性能を1台に集約することが可能となり、最短5カ月で投資回収が可能となる」と説明している。

また、電力効率についても従来Xeonに比べ向上が図られており、Xeon L5640を搭載した2ソケットサーバは、従来のハイエンド製品「Xeon X5570」搭載サーバと同等のパフォーマンスを実現しながら、約30%の低消費電力化を実現している。

Xeon 5600番台のダイ写真(左)とウェハ写真(右)。ダイサイズは248mm2で11億7,000万トランジスタが集積されている

さらに、仮想化連携やセキュリティの強化として、「Intel Advanced Encryption Standard New Instructions(AES-NI)」と「Intel Trusted Execution Technology(Intel TXT)」を実装した。

Intel TXT はプラットフォームの安全な起動環境を実現すると同時に、仮想サーバ間を移動するアプリケーションを保護することでクラウド環境に求められるセキュリティを提供する技術。ハードウェアによるセキュリティ機能をプロセッサに統合することで、悪意のあるソフトウェアを遮断し、仮想環境上で重要なアプリケーションやデータをより安全に実行することが可能になる。

一方のAES-NIは、AESのパフォーマンスを加速させデータベースの暗号化機能、フルディスクの暗号化、安全なインターネット取引といった広域なアプリケーションにおけるデータの暗号化や復号化を行うことが可能となる。

Intel TXT とAES-NIは仮想化環境で連携して動作し、パフォーマンスと機能性を確保するほか、起動時、移行時、停止時においても、より安全な仮想化環境を実現することができるようになる。

なお、同社では併せてサーバ向けのほかに組込機器向けに6コアCPU「Xeon E5645」および「Xeon L5638」、4コアCPU「Xeon L5618」および「Xeon E5620」も発表している。これらのプロセッサは、組み込み向けとして7年間の製品サポートが予定されている。