SharePoint 2010の新機能としては、UIの改善がある。メニューには、Office 2007で採用されたリボンインタフェースを採用されるほか、サイト内のデータはWikiと同じように編集可能になっており、[編集]タブをクリックし、ページにテキストを入力することで、コンテンツを編集できるようになっている。ページは、全体が1つのキャンパスのようになっており、好きな場所にテキストやWebパーツを貼り付けられる。そのほか、マルチ言語インタフェース(MUI)も採用され、同じサイトを言語を切り替えて利用可能になっている。

リボンインタフェースとWikiベースの編集

ポータルに関する機能強化では、オフライン状態で使用できる「SharePoint Workspace 2010」が追加される。SharePoint Workspaceは、ダウンロードしたSharePointドキュメントをオフラインで編集し、変更内容をクライアント側にキャッシュ、ユーザーがオンラインに切り替えた時点で、変更(差分のみ)を自動的に同期する。

SharePoint Workspace 2010

ソーシャルネットワーク関連では、タグが追加される。タグには、そのドキュメントにどのような内容が記述されているのかを示す「ソーシャル タグ」と、個人がどのようなスキルをもっているのか示す「専門知識タグ」がある。ソーシャル タグは、Webブラウザのお気に入りのようなもので、自身が付けたタグについては、画面の右下にタグクラウドとして表示される。そして、「ソーシャル タグ」と「専門知識タグ」を組み合わせることによって、より目的に近いドキュメントを素早く探し出せるようになるという。たとえば、あるキーワードに関するドキュメントを探し出したいときは、そのキーワードのスキルを持つ人を「専門知識タグ」で検索し、その人が付けたキーワードに関するソーシャル タグでフィルタをかけることによって、より精度の高いドキュメントを探し出すことができる。

画面左の「Ask Me About」の「サーチ」などが「専門知識タグ」、右下がタグクラウド。タグクラウドは個人が付けたものと、サイト全体のものがある

検索の改善では、各ドキュメントにプロパティ情報として管理メタデータ(ダグの1つ)を付加できるようになる。メタデータは、そのドキュメントの分類のようなもので、階層構造も可能で、管理者があらかじめ登録したキーワードの中から選択させるようにすることもできる。また、メタデータの設定をドキュメントのアップロード時に強制することもできる。「ソーシャル タグ」は、個人の判断に依存するため、キーワードのゆらぎが発生するが、メタデータでは、全体で統一した管理が行える。また、複数のドキュメントを1つのエンティティにまとめる「ドキュメント セット」という機能もサポートされる。

メタデータ(単独製品)による絞り込み。画面左側にあるのがメタデータ(分類、コンテンツタイプ、製品)

「ドキュメント セット」

可視化と分析に関する機能では、Visioのダイアグラムやグラフをブラウザで閲覧することを可能にする「Visio Services」、AccessのアプリケーションをWebアプリとして利用可能にする「Access Services」のほか、ExcelのテーブルのようにSQL ServerやAccess、Oracle、DB2などのデータを利用してデータ分析が行えるSQL Server 2008 R2の新機能「PowerPivot for Excel」の結果をSharePoint上で参照可能にする「PowerPivot for SharePoint」も提供される。「PowerPivot for SharePoint」は、データの自動更新にも対応する。

「PowerPivot for SharePoint」による表示