日立製作所は2月4日、2009年度第3四半期(10-12月)の決算を発表した。同発表によれば、売上高は前年同期比で5%減の2兆1,579億円、営業利益は前年同期に対して808億円増の663億円、純利益は前年同期に対して3,929億円増の218億円という結果だった。

日立製作所 2009年度第3四半期の業績

営業損益は、電力・産業システム部門における構造改革の進展、自動車機器の改善、社会インフラ分野の売上増加により黒字転換したほか、デジタルメディア・民生機器部門も構造改革の進展やエコポイント制度の効果などから黒字化するなど、全部門が黒字となった。

事業部門別の営業損益は、情報通信システムが前年同期比38%減の238億円、電子デバイスが前年同期比85%減の5億円と前年同期に比べてマイナスとなったが、電力・産業システムが前年に比べて490億円増、デジタルメディア・民生機器が前年に比べて202億円増と、大幅に増やした。

日立製作所 2009年度第3四半期事業 部門別営業損益

日立製作所 取締役執行役員副社長 三好崇司氏

事業別に見ると、2009年1月-6月期に赤字を計上したハードディスクドライブ事業は、2009年7月-9月期から黒字に転換しており、通期でも黒字となった。取締役執行役員副社長を務める三好崇司氏は、「ハードディスクドライブ事業は、開発力は伸びてきているが、SCMで上位2社に遅れをとっている。日立グローバルストレージテクノロジーズのCEOは元CFOを務めていたこともあり、コスト対策は大分進んだ」と説明した。

また、ディスプレイ事業は部門全体で前年同期比19%減の2,098億円となっているが、その減少の要因の1つに、これまで携帯電話のの高機能VGAの液晶が好調だったところ、低価格機器にシフトしたことがあるという。今後は、価格競争力を付けるとともに、製品を増やす方向で進めていくとのことだ。

2010年3月期の通期業績の予測は、売上高は民間の設備投資の回復の遅れを考慮し、2009年10月29日に発表した予想と同額の8兆7,000億円、損益は構造改革の推進や社会イノベーション事業でのプロジェクト管理強化などの影響により、前回予想から改善する見込みで、営業利益は前回予測から550億円増の1,350億円、純利益は前回予想から200億円増の2,100億円の赤字となっている。