米Antecは2月2日、2010 International CESで公開された新型PCケースなどを日本国内向けに紹介するプライベートイベントを開催した。同社上級副社長Scott Richards氏が来日し、CESでも注目を集めたオープンエア構造の新コンセプトPCケース「LANBOY AIR」などを解説してくれた。

Scott Richards氏が来日し解説してくれた

今回は製品発表会ではなく、あくまで今年前半を目処に投入する新製品の先行披露という位置付けの催しであったため、以下でレポートする製品は試作機段階で、詳細な発売日、国内価格等は現時点では未定となっている。このあたりは後日、正式発表時に改めてお届けしたいと思う。

「LANBOY AIR」

ATXタワーケース「LANBOY AIR」は、MODULAR CASEと銘打たれた同社新シリーズのPCケースで、発売中の"まな板"ケース、Skeletonシリーズのコンセプトである"オープンエアー"構造を受け継いだ製品。ケース内のあらゆるカバーはエアフロー重視のメッシュ仕様で、さらに、外装パネル着脱の自由度が高くパーツへのアクセスが簡単に行なえるシャーシが特徴。

「LANBOY AIR」

フロント部のドライブベイは全段フリーレイアウトで、部位ごとに着脱が可能。そのフリーアウトベイも、デバイスの固定は通常のネジ固定だけでなく、ちょうど「ハンモック」の用に、専用アタッチメントでデバイスをベイスペースに自由に吊り下げることが出来るようになっている。サイドカバーも普通のケースの様な一体型ではなく、フロントベイ部分のみ開閉して、サイドからアクセスすることも出来る。

フレームやLEDなどのカラーバリエーションも検討中だそうだ

冷却ファンもいたるところに計10個以上、かなり任意の位置に設置可能だ。ケーブルマネージメントや小物入れなどの小ギミックといった、従来のAntec製ハイエンドケースの機能も豊富に盛り込んでいる。米ドルでの見込み価格になるが、価格は200~250ドル程度になるようだ。

「DF-85」と「DF-30」

こちらも新シリーズで、"DARK FLEET"シリーズと銘打たれる新型タワーケース。シリーズには、ATXサイズでドライブベイ14基対応のタワーケース「DF-85」と、同じくATXサイズだが、やや小型のミドルタワー形状でドライブ11基対応の「DF-30」をラインナップ。

「DARK FLEETシリーズ」

ともにフロント部のドライブベイの一部にホットスワップ機能を備え、ストレージへのフロントアクセスが容易。しかしながら最大の特徴は、フロント上部の2.5インチストレージ用スロットだ。HDDなど2.5インチのドライブを、そのままダイレクトに抜き差しでき、素のHDDを持ち運びストレージとして簡単に利用できる。

「DF-85」

DF-85の主な仕様は、前述の2.5インチスロットを除き、ドライブベイが5.25インチ×3、3.5インチ(ホットスワップ付)×4、3.5インチシャドウ×5、2.5インチシャドウ(SSD用)×1。本体サイズはW213×D505×H596mm。発売されれば価格帯は200ドル前半程度になる見込みだ。

「DF-30」

DF-30の主な仕様は、前述の2.5インチスロットを除き、ドライブベイが5.25インチ×3、3.5インチシャドウ×6、2.5インチシャドウ(SSD用)×1。本体サイズはW198×D468×H485mm。発売されれば価格帯は150ドル程度になる見込みだ。

CPUクーラーなど関連製品も

同社初となるCPUクーラーも登場していた。吹きつけ方向の違いで3モデルをラインナップするが、特徴は共通。120mmサイズの冷却ファンを一基備え、銅製ヒートパイプを埋め込んだデザインで、Intel/AMDの両プラットフォームに対応可能な固定具を装備する。

「KUHLER BOX」

「KUHLER FLOW」

「KUHLER SHELF」

LANパーティなどでPCを持ち運ぶ用途を想定したポータブルPCカート「LANBOARD」も新登場。ローラーに高性能のものを使っているそうで、重いPCケースでもスムーズに移動させることができるという。ローラーはロック機能付。ほか、キャリングストラップも付属するそうだ。しっかりした造りだったので、ゲーマーだけでなく、オフィス用途でも活躍の場があると思われる。

「LANBOARD」