日本HPが、フラッグシップモデルとして2010年春モデルに追加したのが「HP Pavilion Desktop PC HPE 190jp」だ。カスタマイズ幅が広い一方で、選択できるCPUは、すべて高いパフォーマンスを誇るIntel Core i7-900番台という、Intel製プロセッサを搭載したPCとしては最高スペックを追求できる構成になっている。Intel Core i7は、計8の論理プロセッサ、メモリコントローラやL3キャッシュなど様々な先進機能を備えており、動画編集やストリーミング、3Dゲームなど高い負荷のかかる作業を行っても高速に動作する。

また日本HPのオンラインショップHP Directplusというだけあって、カスタマイズメニューは非常に豊富だ。ハードウェア構成で固定されているのはケースとマザーボードのみ。OSやCPU、メモリ容量などが自由に選択できるのはもちろん、用意されている選択肢が興味深い。たとえば、HDDのカスタマイズメニューは一般的に容量のバリエーションであることが多い。しかし、このモデルの場合は7,200rpmの一般的なドライブで500GBから2TBまでの容量を用意しているほかに、容量は300GBではあるが高速な10,000rpmのドライブまで用意されている。さらに、7,200rpmの1TB×2でRAID0/1、または1.5TB×2でのRAID1や、10,000rpmの300GB×2でのRAID0/1構成も用意されており、容量優先、速度優先、安全性重視などがユーザーの考え方で選択できる。

また、内蔵HDDの増設に対応するだけでなく、本体に外部から抜き差しのできる「HPポケット・メディア・ドライブ」や、USB接続の外付けHDD「HPパーソナル・メディア・ドライブ」を同時購入することができる。光学ドライブを2台搭載したり、デュアルディスプレイ用に2台のディスプレイを選ぶのも可能だ。

電源を入れると幻想的な輝きを放つ「HPイルミネーション・ロゴ」

また、TVチューナーに関しては地デジのみのWチューナーか、地デジ/BS/110度CSのWチューナーかを選択できるのも面白い。標準で付属するキーボードカバーやガイドブックが不要ならば値引きを受けることもでき、ユーザーが自分の好みや使い方に徹底的に合わせられる仕組みだ。

自由な構成を望むだけならば自作すればいいという考えもあるだろうが、ケースデザインと信頼性で「HP Pavilion Desktop PC HPE 190jp」をお勧めしたい。まずケースデザインについては、ピアノブラックを基調に、フロントパネル外周だけ赤を配した特徴的なものとなっている。「メルロートリム」と呼ばれる赤い部分はマットで、落ち着いた赤にフロントパネルの影が落ちるのが渋い印象だ。黒と赤、いかにも「ハイスペック」を好むユーザーに愛されそうな配色である。

USB 2.0ポート×2や15in1メディアスロットなど、使用頻度の高いインタフェース類を最上部に集約したフロントベゼル

下部にある「HPフロントドア」の内部には、USB 2.0ポート、ヘッドフォン出力、マイク入力を配置

そして、本体全体が若干後ろに向かって傾斜しており、フロントパネルが上向いているのもポイント。電源ボタンが天面、インジケータやよく使うインタフェース類が最上部に集められているため机下に設置した場合にも便利だが、このわずかな傾きが光学ドライブやフロントドア内部のインタフェースを一段と使いやすくしてくれる。

本体全体につけられたわずかな傾斜が、光学ドライブや各種インタフェースを一段と使いやすくしてくれる

本体上部には小物などを置いておけるスペース「ユニバーサルトレイ」を配置

USBやeSATAポートをはじめ、TVチューナー用のアンテナ端子や光オーディオ出力など数々のインタフェースが配置された背面

さらに、「東京生産」という信頼性も大きな強みだ。東京都昭島市の事業所で組み立てられるため、高い技術と丁寧な仕上げが期待できるだけでなく、配送時の故障リスクもない。このほか、オプションでソフトウェアやネット接続のことも相談できる「パソコンなんでも電話相談」や、訪問サポートの申し込みをすることも可能。ハイスペックマシンと安心のどちらも欲しい人に最適なマシンだ。

日本HPのデスクトップ機ではおなじみ、「東京生産」を表すロゴ