iPadでは、既存のiPhone/ iPod touch用アプリがそのまま動作する。拡大表示になるものの、フルスクリーンでの利用が可能だ。つまりiPadには、登場時から140,000個の対応アプリが存在することになる。この市場の意味は大きい。たとえばiPadはAmazon.comの電子ブックリーダー「Kindle」と競合するという指摘もあったが、AmazonはiPhone/ iPod touch用Kindleアプリを提供している。App StoreでKindle for iPhoneが配布されている限りiPadでもKindleブックが読めるから、iPadとKindleは共存共栄の道を歩む可能性がある。

iPhone/ iPod touch用ゲーム「X Games SnoCross」

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iPhone OSアプリ開発者にとって、iPadの登場は市場を大きく広げるものになる。開発したソフトが対応するデバイスが3製品に増加。iPadのみに絞り込めば、より豊かなグラフィックスや操作性を活かした新たな種類のアプリを開発・提供できる。iPhoneソフトウエア担当SVPのScott Forstall氏はこれを「第2のゴールドラッシュ」と表現していた。

標準搭載アプリはiPad用に設計し直されている。iPad用PhotosとiPhone用Photos

iPad用iTunesとiPhone用iTunes

キーノートでは、GameloftやElectronic Artsなどが最新SDKを受け取ってから2週間程度で開発したというiPadアプリのデモを披露した。

Gameloftの「Nova」。ミニマップをピンチで拡大したり、2本指でスワイプしてグレネードランチャーを使えるなど、広い画面で豊富な操作が可能に

New York TimesのiPadアプリ。記事をリーディングリストに保存。iPhoneなど他のデバイスと同期できる

EAの「Need for Speed SHIFT」。同社のiPhone用ゲームは起動に時間がかかるものが多いが、iPadでは待ち時間が短縮されるという

MLB.com。選手の成績や球場の情報など様々なデータをオーバーレイさせながら野球中継を楽しめる