Edward Screven氏

OS/仮想化分野の計画について話したのは、Oracleのチーフコーポレートアーキテクトでオープンソース分野を統括するEdward Screven氏だ。

Screven氏はまず、「MySQL」から話をした。欧州連合(EU)が懸念を示していたMySQLについては、買収に反対するキャンペーンも展開された。Screven氏はこの日、MySQLはOracleのオープンソース事業部の下、Sunから継続した営業/開発チームが独立した組織の下で活動を続けること、MySQLの改善を続け、サポートを強化することなどを明らかにした。2009年12月に発表した10の約束の通り、GPLとしてコミュニティ版の提供を続けることなどにも触れた。

同じくオープンソース製品である「OpenOffice.org(OOo)」は、独立したグローバル事業部として管理され、開発やサポートを支援する。顧客エクスペリエンスの改善、エンタープライズ顧客へのフォーカス、Webベースでの配信計画などにも言及している。

OSについては、Linuxと同時にSolarisへの投資を継続する。Screven氏によると、Oracleが3年前にLinuxの提供を始めて以来、4,000社以上の顧客がおり、これに5万以上の顧客を持つSolarisが加わる、という。Ellison氏は、Linuxのファンだとしながら、Solarisは成熟しておりハイエンド向けの信頼性があるが、Linuxはそのレベルに達するまで時間がかかる、とした。顧客に両方の選択肢を提供するというのがOracleの戦略という。

仮想化では、XenベースのOracleのサーバ向け仮想化技術「Oracle VM」にSunのSPARC向け「LDOM」が加わることで、デスクトップからサーバまで包括的な技術がそろうという。Oracle VMは今後x86とSPARCの両方で動くようにし、同等の機能を提供する計画だ。強みは、これらすべてを「Oracle Enterprise Manager」で管理できる点。Screven氏はVMwareと比較して、Oracle VMは現在無料で提供されており、事前統合や管理などの面で優れるとした。

「Sun買収により競合とさらに差がつく」とPhillips社長

仮想化大手VMwareとの比較

クラウドという言葉をEllison氏は「コンピュータにインタネットが付いただけ」として一笑した。これはScreven氏がOracleのクラウド戦略に触れたときのもの

Oracleは今後、約70の都市でイベントを開催するほか、すべての製品について詳細なロードマップをWebキャスト形式で公開する。

また、JavaOneはこれまでどおりオープンなコミュニティイベントとして開催するが国際化し、米国のほか、ブラジル、中国、ロシア、インド、中国のBRICで開催すること、米国では9月19日から23日までの「Oracle OpenWorld」と共同開催となることも明らかにした。