27日(米国時間)に開催される米Appleのスペシャルイベントを目前にした25日、米Hewlett-Packard(HP)がYouTube上に掲載した動画が話題になっている。これはHP広報のGreta Schlender氏が同パーソナルシステム部門CTOのPhil McKinney氏へのインタビュー形式で「HP slate」の紹介を行うというもの。HP slateとは、CES 2010で米Microsoft CEOのSteve Ballmer氏が紹介したあのタブレット型デバイスのことだ(『【レポート】CES 2010 - タブレット型PC「Slate PC」公開 - スティーブ・バルマー基調講演』)。
紹介動画はHPのYouTube公式ページの「hpcomputers's Channel」に「SPECIAL REPORT! The HP Slate」の名称で掲載されている。
McKinney氏はインタビューの中でタブレット型製品について「文章だけでなく、動画などのコンテンツも見られるリッチなメディアデバイス」と表現しており、従来のノートPCだけでなく、スマートフォンやAmazon.comのKindleのような電子ブックリーダーとも異なる新たな製品カテゴリだと評している。
また、なぜ今タブレットなのかという件については「去年までだったらこのスペックやソフトウェアを含めれば1,500ドル程度の価格となっていた。現在、ようやく(1,000ドル以下という)普及のためのプライスポイントに落ちてきたことが大きいだろう」と説明している。必要十分なパフォーマンスを持った安価なプロセッサや周辺コンポーネント、そしてHP slateが搭載しているマルチタッチ標準対応のWindows 7が登場したことが大きかったようだ。
またMcKinney氏は、HP slateが2010年内に登場することを表明。CESで公開されたのはプロトタイプではなく、れっきとした製品であると付け加える。Appleタブレット公開間近という絶妙なタイミングで登場した動画ではあるが、HPがslate発表にあたって長年にわたって研究開発を続けていたこと、Dellといったライバルも実機展示を元に参戦を表明していることなどから、行き当たりばったりで開発した製品というわけではないようだ。タブレット型製品が今年ようやく花開く可能性が高いのかもしれない。