キヤノンは13日、デジタルビデオカメラ「iVIS」の新モデル「iVIS HF M31」「iVIS HF S21」「iVIS HF R10」を発表した。発売日は、iVIS HF S21が3月中旬で、他の2機種は2月中旬を予定している。価格はオープンで、市場価格は、iVIS HF M31が10万円前後、iVIS HF S21が14万円前後、iVIS HF R10が7万円前後と予想される。

iVISシリーズの新たなハイエンドモデル「iVIS HF S21」

iVIS HF M31は、昨年8月に発売された「iVIS HF S11」の後継機種で、iVIS HF S21は、同じく「iVIS HF21」の後継機種となる同社のハイエンドモデル。iVIS HF R10はエントリー向けの製品となっている。いずれの製品も、1920×1080画素のフルハイビジョン撮影をサポートする。

新モデルの大きな特徴となっているのが、「こだわりオート」というオート撮影の強化。これにより、より直感的な撮影を実現している。

こだわりオートは、フェイスキャッチテクノロジー、ノイズリダクションテクノロジー、モーションキャッチテクノロジーにシーンキャッチテクノロジーを加えたもの。なかでも、シーンキャッチテクノロジーは、従来は、シーンをユーザーが指定する必要があった、シーンセレクトをカメラ側が自動判別するという技術。シーンは、従来よりも細かく分けられており(31種類用意)、例えば、人物を撮影する場合でも、人物+青空/逆光/スポットライト/夕焼け/夜景といったように多くのシーンが用意されており、それぞれのシチュエーションで、より環境にマッチした撮影を行うことが可能となっている。また、対象物に接近すると瞬時にマクロモードに切り替わるなど、従来のシーンという範囲には含まれていなかった機能もここで自動セレクトされ、より手軽な撮影を実現する。

撮影時の使いやすさと、高画質を追求した「iVIS HF M31」。シルバーとレッドの2色が用意される

コンパクトボディに光学20倍ズームを搭載する、エントリーモデル「iVIS HF R10」。こちらも、シルバーとレッドの2色が用意される

また、操作性の向上のために、iVIS HF M31/S21にはタッチ式の液晶パネルによる操作を採用。モードの切り替えや、露出、フォーカスなどもタッチパネル上から直感的に行うことが可能だ。iVIS HF M31では2.7V型、S21には3.5型のタッチ式液晶パネルが採用される。

手ブレ補正は、従来の光学式から、光学式+電子式へと改良(iVIS HF R10を除く)。ワイド側だけでなく、望遠撮影時の手ブレ補正効果を高めた「パワードIS」を採用するとともに、ワイド撮影時に使用可能なダイナミックモードも、補正範囲を拡大することで、徒歩撮影時などのブレの大きいシーンでも、ブレを最小限に抑えることが可能となっている(iVIS HF M31のみ)。なお、iVIS HF M31は光学15倍(F1.8-3.2)、iVIS HF S21には光学10倍(F1.8-3.0)、iVIS HF R10には、光学20倍のズームレンズが搭載される(F1.8-3.6)。

ハイエンドモデル「iVIS HF S21」の付属アクセサリー

新機種には、従来モデル同様、高速にピントを合わせる「ハイスピードAF」が搭載されているが、それに加えて、モニター上で、追尾したい被写体をタッチするだけで、動く被写体にピントを合わせ続ける「タッチ追尾」機能も搭載されている(iVIS HF R10を除く)。動く被写体の追尾は、人物だけでなく、ペットや車など、基本的に動いているものならば対応可能だ。

そのほか、撮影時に、リモコンも使用可能で、三脚を設置して、より安定した撮影を行うことが可能など、実際に撮影を行なう場面での使い勝手を向上させている。

搭載されているメモリーは、iVIS HF M31が32GB、iVIS HF S21が64GB、iVIS HF R10が8GBとなっている。また、SDメモリーカードスロットを装備しており(iVIS HF S21はダブルスロット)、ここに挿入したメモリーカードとの間でダブルメモリーによるリレー記録が可能だ。ただし、内蔵メモリーと外部メモリーとで2重に記録を行ったり何らかのバッファーが入っているというわけではないので、内蔵メモリーからSDメモリーカードにリレーした場合、若干、映像がとぎれることになる。

5.1chサラウンドマイク「SM-V1」装着時

音声は、本体では2chのステレオ記録となるが、オプションの5.1chサラウンドマイクを使用することで、より臨場感の高サウンドを記録することができる(iVIS HF R10を除く)。5.1chサラウンドマイク「SM-V1」は4月下旬発売予定で、価格は2万6,250円。

防水ケース「WP-V2」装着時

またiVIS HF M31には、2月にオプションの防水ケース「WP-V2」が発売される予定。WP-V2は、従来モデル用の「WP-V1」と同様に水深40mまでの撮影に対応する防水ケース。また、水中モードと水上モードとを、ケースを装着した状態で切り替え可能だ。WP-V2の価格は6万2,790円。

このほか、フルハイビジョンムービーではあるが、従来のDVD再生環境など、ハイビジョン再生に対応していない機器で、撮影した映像を楽しむために、本体だけで、映像のダウンコンバートが可能。もちろん、オリジナルの映像には、手を加えることなく、DVD書き出し用の映像を作成することができる。