EMCジャパン プロダクト・ソリューション統括部 プロダクトマーケティング部 部長 中野逸子氏

EMCジャパンは12月9日、データ重複除外バックアップソリューション「Avamar 5.0」および同製品を搭載したアプライアンスサーバ「Avamar Data Store Gen 3」を発表した。クラウドコンピューティングの普及により、データセンターの仮想化が進む中、「データを減らしながらバックアップできる重複技術は、重要性を増すデータ保護に新しい可能性をもたらす」(EMCジャパン プロダクト・ソリューション統括部 プロダクトマーケティング部 部長 中野逸子氏)ものとして注目される。

Avamarは重複除外機能を搭載したLANバックアップシステム。クライアント(PC/サーバ)側で重複データを除外したのち、変更されたユニークなデータのみをバックアップすることで、バックアップデータ量およびバックアップにかかる時間を大幅に削減することが可能だ。「1日のデータ転送量を比較した場合、通常のフルバックアップの1/500で済む」(EMCジャパン グローバルサービス統括本部 プロダクトソリューション統括部 テクノロジーコンサルタント 細田博氏)ため、バックアップ所用時間も最大1/10まで短縮できる。同社のラボでの実験によれば、「100Gバイトのゲストマシンが12台動作する仮想化サーバに対して行われたバックアップ完了までの所要時間は3 - 12分程度」(細田氏)だったという。

EMCジャパン グローバルサービス統括本部 プロダクトソリューション統括部 テクノロジーコンサルタント 細田博氏

大幅にバックアップ容量を削減できる理由は大きく3つある。

  • ファイルレベルを超えた、ブロックレベルでの重複除外
  • クライアントに仕込まれたAvamarエージェントによる、サーバをまたいだ重複除外
  • フルバックアップは初回のみ、2回目以降は擬似的に毎日フルバックアップを行うが、実際に行うのは差分ブロックのみのデータ保管

とくに、1つのファイルを細かくブロック化して行うブロックレベルでの重複除外による効果は大きく、「平均して20Kバイトの細かいブロック単位で、重複しない新しいブロックだけを送信するため、ネットワークにかかる負荷も劇的に小さくなる」(細田氏)という。

また、リストアもGUIベースで簡単かつ正確に行える。

Avamar 5.0ではVMwareのクラウドOS「vSphere 4」のvStorage APIと統合されているため、仮想イメージのバックアップ/リストアも容易に行える点も特徴だ。

Avamarを搭載したサーバであるAvamar Data Store Gen 3は、Intel Xeon 5500を採用、シングルノードで1TB/2TB/3.3TBのモデルが用意されている。最大で18ノード/52.8TBまで拡張可能。

重複除外技術を搭載したアプライアンスサーバ「Avamar Data Store Gen 3」の18ノードタイプ