Galaxy Microsystemsから、かなり"尖った"仕様のグラフィックスカードが登場した。ハイエンド向けで2スロット厚のクーラー必須だったGeForce GTX 260 GPUを1スロット厚に収めた製品「GF PGTX260+/896D3 KATANA」だ。今回、このサンプル品を入手することができたので、早速レビューしてみよう。

「GF PGTX260+/896D3 KATANA」 ※試作機のため、一部仕様が製品版と異なる場合あり

なお、同製品の国内市場における製品名について。一般公募のキャンペーンが実施されていたが、先日、正式に「GF PGTX260+/896D3 KATANA」に決定したことが発表された(参考ページその1その2)。

さて、まずは基本スペックから紹介していこう。GeForce GTX 260(55nm版)は、リファレンスでコアクロックが576MHz、メモリに448bit接続のGDDR3を896MB搭載し、メモリクロックが999MHz(データレート1,998MHz)、216基のユニファイドシェーダを搭載しているが、GF PGTX260+/896D3 KATANAのスペックもまったくこれと同等だ。つまり、ありがちなダウンクロックなどを行なうことなく、1スロット厚サイズに収めているのだ。

動作クロックはコア576MHz、メモリ999MHz。シェーダー数は216基であるし、メモリ接続バス幅も448bitと、リファレンスと同等の仕様だ

ディスプレイ出力はDVI×1、HDMI×1、Sビデオ出力の計3系統

1スロットの高さはコンデンサの高さとほぼ同じ。このスリムさはかなりのインパクト

さて、クーラーユニットの構造を見ていこう。薄さとともに注目されるのがファンの搭載位置。GeForce GTX 260のリファレンスクーラーはカード後方(出力端子の反対側)にファンを置き、エアフローはカード後方から前方(出力端子側)へと流れ、ブラケットから排気される。

一方、GF PGTX260+/896D3 KATANAはファンを前方に搭載。ブラケットから排気する術はないため、エアフローはカード前方から後方へと流れ、各所に設けられたスリットから排気するものと見られる。カバーを開けると、内部にはかなり大きめな銅製のヒートシンクが確認できる。基本的に外見から確認できるクーラーの特徴はこれだけであり、カード裏面にヒートシンクが追加されているわけでもない。本当にこれだけで1スロットのスリム化が実現できたのかと不思議な気持ちだ。

カード長はこれまでのGeForce GTX 260カードと同様。引き続き搭載時にはケースとの干渉を考慮する必要がある

上部にもスリットが用意されているが、実際にエアが抜けるのは後部側の数口のみと思われる。PCIe補助電源コネクタは6ピン×2基で、これはリファレンス仕様と変わらず

下部も後方にスリットを配置

カード裏面はとくにヒートシンクを追加するでもなくむきだし状態

前部のファンから取り入れられたエアは、後方にフローされる。電源回路を見る限り、カード設計もオリジナルであるようだ。レギュレータ部分にもヒートシンクが配置されているほか、GPU直上部分には銅素材のヒートシンクが採用されている