2つ目の新機能のサポートについて。Windows 7の持つ新機能への最適化が行なわれており、その代表的な例として、マルチタッチ機能に対するハードウェアとソフトウェア両面でのサポートと、「デバイスとプリンター」のカスタマイズ(ThinkVantageのユーティリティと連動することで、さらに使い易くした)が紹介されている。

マルチタッチ機能などを解説してくれたのは、研究開発 TVT・ノートブック ソフトウェア開発 第一TVT開発/主任 開発技術担当部員の松原正樹氏

2つ目の新機能のサポートについて。Windows 7が搭載する各種新機能に対して、ThinkPadとしての最適化が施されている

マルチタッチ機能では、先日、同社初のマルチタッチLCDパネル搭載機種となる「ThinkPad T400s」と「ThinkPad X200 Tablet」のマルチタッチ対応モデルの投入が発表されている。ハードウェア部分のタッチセンサには、従来の感圧式から、軽量・薄型化を実現するエアボンディング構造などを採用した新たな静電容量式へと変更されており、スムーズなタッチ入力を可能としている。

同社初のマルチタッチLCDパネル搭載機種となる「ThinkPad T400s」と「ThinkPad X200 Tablet」のマルチタッチ対応モデルが投入された

マルチタッチLCDパネルには静電容量式が採用された。Tabletシリーズで培った技術も活かされている

3つ目のThinkVantageソフトウェアの最適化について。ThinkPadの特徴でもあるThinkVantageソフトウェアで、Windows 7にあわせ、今回新規に開発、実装された機能が、マルチタッチ機能にかかわる「SimpleTap」、Windows 7ツールバーと連携する「ThinkVantage Toolbox」だ。新機能ではないが、評価の高いネットワーク管理機能「Access Connection」も、最新規格のサポートを追加し強化されている。

ネットワーク管理機能「Access Connection」の強化ポイント

SimpleTapは、2つ目の新機能のサポートでの、マルチタッチ機能のサポートに付随する機能で、マルチタッチ利用時に便利な独自ユーザーインタフェースだ。ディスプレイ輝度の調整や、スリープへの移行など、ThinkPadユーザーであれば馴染みの深い「Fnキー」との組み合わせで動作する機能と同じ機能を、タッチ操作で実現するというもの。画面にタッチしたりすると、画面上にタイル形状のインタフェースが出現し、指で触れるだけで操作はもとより、出現タイルの種類や配置のカスタマイズも柔軟に行なうことができる。

Fnキーとの組み合わせで動作する機能と同じ機能を、タッチ操作で実現するインタフェース「SimpleTap」。カスタマイズでタイルの配置も自由自在

ThinkVantage Toolboxでは、ThinkPadで日常よく使う機能にすばやくアクセスできる手段を提供する。ThinkVantageボタンからアクセスし、セキュリティ設定や、省電力設定へと簡単にアクセスできたり、Windows 7で強化されたタスクバー上には、ツールバーとして登録されており、各ThinkVantageアプリケーションとの連携を行なったりできる。

ThinkPadで日常よく使う機能にすばやくアクセスできる「ThinkVantage Toolbox」

以上のようなEnhanced Experienceの各機能は、Windows 7を搭載する同社製品で、具体的には、以下の写真にあるような「Windows 7 Lenovo Enhanced Experience」のロゴが添付されたPCに搭載されている。ここで気になるのは、既に所有しているThinkPadに対して、Enhanced Experienceの各機能を適用できないか、という点だ。新機種への買い替えがベストなのだろうが、例えば一世代前のThinkPadなどは、OSのみWindows 7へとアップグレードしても問題ない高いハードウェア性能を有している。

「Windows 7 Lenovo Enhanced Experience」対応PCには写真のようなロゴが貼付される

筆者も、個人的にVista世代のThinkPadユーザーであるため、旧マシンへのEnhanced Experienceの適用方法を担当者に質問してきたのだが、これについて、システム高速化などのソフトウェア部分での答えは"可能"とのこと。まず、Windows 7へのアップグレードインストールは当然行い、後は簡単で、いつものようにThinkVantageのSystem Updateなどを通して、ソフトウェアやドライバのアップデートを実行すれば、Enhanced Experienceを適用できるそうで、ひと安心だ。これについては、機会があれば、別途レビュー記事などで実際の適用過程なども紹介したい。