「富山の技術・地域の技術ゾーン」(2) - 各企業ブース

引き続き、企業出展の各ブースを紹介していこう。

富山村田製作所は、テレビCMでもお馴染みの"ムラタセイサク君"と"ムラタセイコちゃん"を出展。こちらも大変な人気で、デモンストレーションを行う度に何重にも人垣ができていた。"ムラタセイサク君"のデモでは加速度センサ付きのスティック型Bluetoothリモコンで操作する様子が披露された。

ブースにあった「ムラタセイサク君」、「ムラタセイコちゃん」のパネル
「ムラタセイサクくん」をスティック型リモコンで操作するデモの様子
一本橋を渡る「ムラタセイサクくん」(wmv形式 3.10MB 20秒)

産総研は「HRP」シリーズとは別に、知能システム研究部門ディペンダブルグループがアザラシ型メンタルコミットロボット「パロ」も出展していた。"パロ"は福祉施設などでアニマル・セラピーの代替として利用されており、2002年には世界一の癒し効果を持つロボットとして「ギネス世界記録」にも認定。現在では内外約30カ国、約1,500体が利用されている。レポート冒頭でも触れたが、富山出身の本イベント総合プロデューサー・柴田崇徳氏が設計し、製造も富山県南砺市を中心とした中小企業が行っていると言う。毛皮などは手作業で丁寧に作られているとか。会場でもたくさんの来場者に可愛がられ、自慢の癒し効果を発揮していたようだ。

来場者になでられまくっていた産総研の「パロ」

立山科学グループは、ハンガリーのパーズマニィ大学と共同開発した「慣性測定ユニット」を搭載した2足歩行ロボットの他、ロボットの視覚にも利用される「PALNONレンズ」を応用した全方位写真撮影システムを出展。円卓での記念撮影を無料で行っていた。

立山科学グループとパーズマニィ大学が共同開発した2足歩行ロボット

「PALNONレンズ」を応用した全方位写真撮影システム

直流安定化電源の専業メーカー、コーセルは富山工業高専とのコラボレーション企画として、同社のユニット電源を使用して学生が製作した「Candy 6」を出展。6自由度を持つロボットの各関節をスイッチで操作するキャンディつかみどりゲームで人気を集めていた。

富山高専の学生が設計・製作した「Candy 6」

その他、部品メーカーの北陸電気工業は、3軸加速度センサを使ったロボットや、大沢野工業高校と共同で製作したロボット教材などを出展。LED電光表示板メーカーのセト電子工業は、時間が来ると声で伝言を伝える「おしゃべり時計」を出展していた。工作機械メーカーのスギノマシンのブースも、超高圧ウォータージェットカッターの体験コーナーが人気を集めていた。

北陸電気工業ブース

セト電子工業ブース

スギノマシンの超高圧ウォータージェットカッター体験コーナー

また富山県外の企業として、このゾーンでは和歌山県から2社が出展。マージャン牌メーカーの大洋化学が、一発自動配牌・ドラ出し機能を備えた全自動麻雀卓を実演展示。日本橋模型RCセンターは、特殊なフレーム構造により不整地走破が可能な「ラジコン・クローラー(障害物走破車両)」の走行体験会を行っていた。

全自動麻雀卓機を出展した大洋化学のブース

もうひとつ、県外からの参加で異彩を放っていたのが、福井県歯科医師会主催の「歯みがきロボットコンテスト」ブースだ。釈迦が経典の中で歯みがきの功徳を説いたという話に材を得て、迷路コースの先には金色に輝く大仏が鎮座。汚れに見立てたマグネットを大仏の歯型から早く落とした方が勝利という実際の競技が体験できた。

このロボコンは11月8日の「いい歯の日」にちなんだイベントとして2007年に始まり、今年で3回目の開催になるとか。小学生を中心とした「リモコン部門」とプログラム制御による「自律ロボット部門」があり、「未来のお口の健康アイデア&デザインコンペ」も実施されるそうだ。

金色の大仏がまぶしかった「歯みがきロボコン」ブース