--クラウドを含めてSaaSを利用する際、データのバックアップをどのように行うべきか?--
ピッチャー氏: SaaSを利用する際もバックアップは重要だが、ローカルにあるデータのバックアップほど保守的に考えなくてよいだろう。SaaSにおけるバックアップにおいては、データが壊れた時や削除されてしまった時に備えて「バージョン管理」を行うことが最も重要だ。また、目的としては、コンプライアンスに重きを置く必要がある。さらには、万が一、サービスプロバイダーが存続しなくなった場合にも備えておかなければならない。
--データ保護事業の今後の戦略について聞かせてほしい--
ピッチャー氏: 価値に基づいたデータの管理を簡単に行いたい("Easy to Combine")というユーザーのニーズを満たすべく、現在、新しいレベルのイメージバックアップのベータテストを行っている。具体的には、SMBを対象とした製品で、リストアが簡単であるのが特徴だ。
リストアを行う場合、同じハードウェアにバックアップデータを戻す必要があるが、実際には同じハードウェアを入手することはなかなか難しい。この製品では異なるハードウェアにリストアすることを可能にする。
--大企業に対してはどのように訴求していくのか?--
ピッチャー氏: ARCserve Backupはあらゆる規模の企業のニーズを満たすことができるが拡張性が高いため、大企業に対してはARCserve Backupの利用を推し進めていきたい。ARCserve Backup r12.5は標準でバックアップデータの重複を排除するデータ デデュプリケーション機能を提供する。通常、この機能はオプションであるため、別途購入しなければならない。よって、ARCserve Backup r12.5を導入することで、ユーザーはコストを削減することが可能だ。
ARCserve Backup r12.5は、データ デデュプリケーション機能のほかにも、企業がデータ保護を行うため必要な機能をすべて提供しており、企業が迅速に決断を下しディザスタリカバリを行うことをサポートするはずだ。
--最後に、日本のユーザーにメッセージをお願いしたい--
ピッチャー氏: クラウドを導入するにあたっては、ビジネスに効果的な使い方を検討していただきたい。繰り返しになるが、その際、コスト・パフォーマンスとサービスレベルのバランスを考慮すべきだ。
当社にとって、日本は重要な市場である。よって、私も来日した際は、日本市場を理解すべく、さまざまな顧客を訪問する。米国と日本において技術的なレベルの違いはないが、「ビジネスの継続性」に対する姿勢が異なる。例えば、米国は日本に比べて土地が広く人口密度も低いため、パフォーマンスに対する要求はそれほど厳しくない。対する日本は人口密度が高いため、事業継続に対する要求が厳しい。つまり、エリアによってビジネスにおける決断のポイントが異なるのだ。当社としても、テクノロジーとエリアの事情を加味したうえで、最適な決断を下していきたいと考えている。