ソニーは29日、デジタル一眼レフカメラ「α」シリーズの新製品「α550」を10月22日から発売すると発表した。デジタル一眼買い換え層をターゲットにレスポンスの向上などを図った。価格はオープンプライスで、実売想定価格はα550ボディ「DSLR-A550」が95,000円前後、ズームレンズキット「DSLR-A550L」(DT18-55mm F3.5-5.6 SAM)が100,000円前後、高倍率ズームレンズキット「DSLR-A550H」(DT18-200mm F3.5-6.3)が140,000円前後。

α550のズームレンズキット

α550は、αシリーズのエントリーモデルである「α330」や「α380」の上位機種として、さらなる高機能モデルを求めるデジタル一眼レフのエントリーモデルユーザーの買い換え需要を想定した。

本体正面

本体背面

液晶は従来通り可動式

本体上部

α550は、AF専用のセンサーを搭載し、ライブビュー撮影中でも位相差AFによる高速AFが可能なクイックAFライブビューを従来よりも強化。ライブビュー中の顔検出に対応。検出した顔を追尾することも可能で、笑顔を検出して自動撮影するスマイルシャッターも搭載している。

ライブビュー機能も強化され、MF中に画像を拡大してピント合わせをしやすくする「マニュアルフォーカスチェックライブビュー」機能を搭載した。この時、AF専用センサーは使われず、撮像素子を使ってライブビューを行うため、いったんミラーが上がる仕組みだ。

撮像素子には有効1,420万画素CMOSセンサー「Exmor」を新開発。画像処理エンジンも新開発の「BIONZ」で、高感度時の画質を大幅に向上させ、ISO12800までの高感度撮影に対応した。

新たに「オートHDR(High Dynamic Range)」機能を搭載。1回の撮影で露出アンダーと露出オーバーの2枚の画像を、1回の撮影で連写して合成することで、最大3EVのダイナミックレンジ拡大を実現するという機能だ。明暗差の激しい風景などを撮る場合に有効な機能で、同社独自の位置補正技術により連写時の画像のずれを補正するため、手持ちでの撮影も可能で、合成時間も約2秒と高速に動作する。

従来通り、暗部の輝度を持ち上げて階調を補正する「Dレンジオプティマイザー」は「オート」設定が用意され、連写も可能になった。効果としては似たようなものだが、暗部を増感するDレンジオプティマイザーよりもオートHDRの方が比較的画質が良いが、2枚の画像を合成するため、合成時間が必要で連続撮影もできない。ソニーでは、基本的には風景にオートHDR、人物にDレンジオプティマイザーを使うことを推奨している。

連写性能も強化されており、光学ファインダー時で約5コマ/秒、ライブビュー時でも約4コマ/秒の高速連写をサポート。さらに露出とフォーカスが1枚目に固定される速度優先連続撮影モードも搭載し、約7コマ/秒という高速連写が可能になっている。

AF性能では、動体予測性能がα350比で約30%向上し、望遠やマクロ時の合焦性能も改善され、同約30%の高速化を実現した。

背面液晶は上下に稼働する可動式液晶で、新たに3.0型約92.1万ドットエクストラファイン液晶を搭載。α380比で色域やコントラストは約2倍に向上しており、3面のAR(反射防止)コートにより、屋外での視認性も向上させた。

そのほか、大容量バッテリーなどによって撮影可能枚数をファインダー時950枚、ライブビュー時480枚のスタミナを実現。ボディ内手ブレ補正も2.5-4段と性能が向上した。同社ではエントリー向けの10万円以下のモデルながら中級機並みのスペックを実現し、買い換え層に加えて写真愛好家のサブカメラにも最適だとしている。

本体サイズは約137(W)×約104(H)×約84(D)mm、約599g。ラインナップはボディのみに加え、「DT18-55mm F3.5-5.6 SAM」とのズームレンズキットが10万円前後、「DT18-200mm F3.5-6.3 SAM」との高倍率ズームレンズキットが14万円前後の実売価格となっている。

α550にあわせ新レンズも投入される。大口径標準ズームレンズ「28-75mm F2.8 SAM」は、非球面レンズ4枚、EDガラス3枚を使用した35mmフルサイズ対応レンズで、ズーム全域でF2.8を実現した。最大径はφ77.5mm、全長は94mm、質量は約565g。また、マクロレンズとして「DT30mmF2.8 Macro SAM」も投入。APS-Cサイズ専用マクロレンズで、等倍撮影が可能。最大径はφ70mm、全長45mm、質量は約150gとなっている。

大口径の標準ズーム「28-75mm F2.8 SAM」

マクロレンズ「DT30mmF2.8 Macro SAM」

縦位置グリップ「VG-B50AM」。10月22日発売 26,250円。リチャージャブルバッテリーパック『NP-FM500H』を2本まで装填できる