ヤマハは18日、ホームシアターパッケージ「YHT-S400」「YHT-S350」を発表した。発売は、10月20日を予定しており、価格はオープン。市場価格は、YHT-S400が6万円前後、YHT-S350が5万円前後と予想される。

テレビの前方に設置可能なスリムなスピーカーを採用する「YHT-S400」

縦置き/横置きの両方が可能なコンパクトなスピーカーを採用する「YHT-S350」

同社のシアターパッケージというと、YSPシリーズのデジタルサウンドプロジェクターがポピュラーだ。YSPシリーズは、スピーカーはすべてフロントに設置してあるが、内蔵された各スピーカーによって、各チャンネルのサウンドを作り出している、リアルなマルチチャンネル環境だ。それに対して、YHT-S400は3.1ch、THT-S350は2.1chで、「AIR SURROUND XTREME」というバーチャルサラウンド技術により、マルチチャンネル再生を実現している。AIR SURROUND XTREMEは、昨年発売された「DVX-1000」にも採用されている技術。5.1chをエミュレーションするのではなく、7.1ch環境をエミュレーションする。対応している音声フォーマットは、Dolby Digital、Dolby Pro Logic II、Dts、AAC。これらの5.1chのサウンドから、7.1chのサウンドを作り出しているわけだが、同社によると、5.1chのシステムに比べて、とくに後ろからの音が非常にリアルに感じられるようになっているとのことだ。

システム的には、YHT-S400は、フロントの2chとセンターchを1ボックスに組み込んだスピーカーシステムと、サブウーファー内蔵アンプの組み合わせ。スピーカーには、4cm×10cmのコーン型フルレンジユニットが3本使用されている。スピーカー部分のサイズは、幅800mm×高さ50mm×奥行き70mm。テレビのスタンドの足部分をよけるためのスタンドを使用することも可能で、その場合の高さは82mm-97mm(可変式)となる。一方のYHT-S350は、独立した左右のスピーカーを利用するタイプ。スピーカーは、幅95mm×高さ190mm×奥行き95mmとコンパクトで、使用されているユニットは、5.5cmコーン型ウーファー+2.5cmバランスドーム型ツイーター。スピーカーは縦置き/横置きが可能だ。サブウーファー内蔵アンプは、YHT-S400では実用最大出力150W(フロントLR 50W×2+センター 50W)+100W(サブウーファー)、YHT-S350では100W(フロントLR 50W×2)+100W(サブウーファー)。しかし実際には、一部デザインが異なるのみで、ハードウェア的には共通。YHT-S350にセンター用のスピーカーを追加すれば、150W+100Wの出力になる。また、アンプだけでなく、FMチューナーも搭載されている。サイズは、幅435mm×高さ151mm×奥行き361mm。入力端子は、HDMI×3に、デジタル音声入力とアナログ音声入力が、各1系統。HDMIはCECにも対応する。

アンプにサブウーファーを内蔵したことで心配になるのが、ノイズや振動だが、ノイズに関しては、アンプ部分はフルデジタルになっている上、アナログ基板は分離されているため、影響は少ないとのことだ。また振動に関しては、サブウーファーの出力がそれほど大きいというわけではないため、同じラックにレコーダーやプレーヤーといったAV機器をセットしている場合でも、それほど大きな問題は発生しないらしい。ただし、振動だけでなく、放熱などの問題もあるため、アンプの上に他の機器をダイレクトに積み重ねるようなことはやめて欲しいとのことだ。