ソニーは18日、パーソナルナビゲーションシステム「nav-u」(ナブ・ユー)の新モデル「NV-U75V」「NV-U75」を発表した。NV-U75Vは、ワンセグチューナー搭載モデルで、NV-U75は非搭載モデル。発売はNV-U75Vが11月7日、NV-U75は11月14日。価格はオープン。市場価格は、NV-U75Vが6万5,000円前後で、NV-U75が5万5,000円前後と予想される。

高精度な自立航法を備えるポータブルナビ「NV-U75」

同社のポータブルナビのラインナップは、8月に発売された6.1V型の大画面を採用する「NV-U3DV」、3.5V型の画面を採用するコンパクトモデルの「NV-U3C」、そして4.8V型の画面を採用するメインモデルの「NV-U3/U3V」となっていた。新モデルのNV-U75/75Vは、メインモデルとなっていたNV-U3/U3Vの後継機種。同じく4.8V型の液晶パネルを採用するが、液晶パネルは感圧式から、より高感度な静電式に進化している。

高精度で快適なナビを実現する「POSITION plus GT」

U3からU75に急に型番の数字が増えていることからも分かるように、多くの面で新機軸を取り入れているのだが、なかでも大きいのが、「POSITION plus GT」の採用。NV-U3DV/U3V/U3に採用されていた「POSITION plus G」は、本体内にジャイロセンサーと加速度センサーを組み込むことで、GPS衛星が補足できない場所でも、測位を続けたり、あるいはGPS衛星が補足できる場所では、さらに測位置の精度を向上するという機能。POSITION plus GTは、これをさらに高精度化したもので、3軸加速度センサーと2基のジャイロセンサーで、現在の速度をリアルタイムに検出。正確な移動距離を導き出すことが可能となっている(従来は、加速度から計算により移動距離を導き出していた)。これにより、長いトンネルや高架下でも、正確な測位が可能にあったほか、従来のPOSITION plus Gでは不可能だった、トンネル内の分岐表示なども可能となっている。同社によると、精度に関しては、一般的な据え置き型のナビよりも、高いものが備えられているとのことだ。

VICSにはオプションで対応。オプションユニットは、光ビーコン、電波ビーコンに対応する「NVA-VB8」(オープンプライス:推定小売価格2万円前後)、FM VICSとワンセグアンテナ兼用の「NVA-FV1」(オープンプライス:推定小売価格1万3,000円前後)、光ビーコン、電波ビーコン、FM VICSに対応し、ワンセグアンテナも兼用する「NVA-VP1」(オープンプライス:推定小売価格3万円前後)の3種類が用意される。いずれも本体と同じ、11月7日に発売予定だ。オプションのVICSユニットを使用することで、渋滞予測の表示なども可能となる。

徒歩移動用のナビゲーション機能「徒歩ナビ」は、徒歩専用の地図データも装備する

徒歩移動時のナビゲーション機能「徒歩ナビ」も搭載。コンパクトモデルのNV-U3Cに搭載されていた「徒歩モード・プラス」は、自動車移動用の交通規制(車両進入禁止など)の適用を外すことで、徒歩移動に適したルートを表示していたが、NV-U75/U75Vに搭載されている徒歩ナビでは、新たに、自動車用だけでなく徒歩用の地図データを採用。地下道や、歩道橋、駅のコンコースなどのデータが収録されており、よりいっそう、徒歩移動に適したルートが表示されるようになった。また、高精度な電子コンパスも内蔵。従来は、移動しない場合には、現在どの方向を向いているのかが判別できなかったが、電子コンパスにより、移動していない状態でも現在向いている方向を正しく表示、その場で向きを変えてもリアルタイムに追従するように進化した。

地図データは、内蔵の8GBフラッシュメモリーに収録されるが、徒歩移動時にも重要になる市街詳細地図は、NV-U3/U3Vに比べて約10倍の全国1,335エリアに拡大。1,355というエリアは、地図を提供しているゼンリンの持っている全てのエリア。さらに、市街詳細エリア以外でも、道路の幅などが地図上に表示されるため、現状の認識を楽に行うことができる。

地図情報サイトはペタマップに対応。口コミ情報などに加えて、グルメぴあなどのオフィシャル情報も利用可能となっている。さらに、本体には、ペタマップに掲載されているガイドブックデータが収録済みだ。

AV機能では、ワンセグチューナー搭載モデルのNV-U75Vでは、新たにワンセグ放送の録画機能を搭載。日時指定による録画予約も可能となっている。さらに、同社のレコーダーが装備する「おでかけ転送」にも対応。レコーダーで録画した番組を、メモリースティックに転送し、車内、あるいは屋外で楽しむことが可能だ。もちろん、動画だけでなく、音楽(MP3/ATRAC/WMA/AAC/HE-AAC/リニアPCM型式)の再生にも対応する。

本体サイズは、幅141mm×高さ88.5mm×奥行き17.5mm。質量は、NV-U75Vが約255gでNV-U75が約245g。内蔵バッテリーによる駆動時間は、通常モードで約3時間、省電力モードで約5.5時間となっている。おもな付属品は、クレードル、シガー電源コード、ACアダプター、USBケーブル、キャリングケース、取り付けシート、ストラップなど。クレードルは、ダッシュボードに強力に張りつく「ピタッと吸盤」を採用するが、従来よりも、吸盤のサイズを小さくし、取り付け時の自由度が向上している。また、ワンセグ搭載モデルのNV-U75Vには、簡易式のホームスタンドも付属する。

そのほか、同時発売のアクセサリーとして、載せ替えて使用するための、クレードルとシガー電源コードのキット「NVA-CU9J」(オープン価格:推定小売価格5,000円前後)や保護シート(オープン価格:推定小売価格2,000円前後)などが用意されている。

「ピタッと吸盤」は吸盤部分の面積を小さくし、ダッシュボードへの取り付け自由度が向上。また、スタンド部の折りたたみも可能になり、携帯や収納がしやすくなった