新商品を紹介するキヤノン 常務取締役 インクジェット事業本部長 清水勝一氏

続いて、キヤノン 常務取締役 インクジェット事業本部長 清水勝一氏が新製品の特徴を説明した。半導体製造技術を使いノズルを一体形成する「PIXUS」の基幹技術「FINE」も今年で10周年。累計123機種に搭載されてきた。このFINEにより、世界最小インク滴1pl、世界最高解像度9600dpiを実現している。そしてPIXUSも、2004年にボックスタイプが登場して以来、進化し続けてきた。そして2009年、さらに4つの進化を果たしたと語った。1.お客様によりわかりやすく、2.さらに美しく快適に、3.さらに新たな領域へ、4.さらに環境にも人にもやさしく。

キレイでありながら高速印刷を実現している

ひとつめの「お客様によりわかりやすく」では、箱から出してつなぐだけでキレイで速くプリントすることを実現。標準設定のまま高品位写真紙プリント、美しい普通紙ドキュメントプリントが可能となっている。プリンター生産性規格「ISO/IEC24734」で言うと、「MP990」がカラー約9.1ipm/モノクロ約11.9ipm、「MP640」がカラー約8.1ipm/モノクロ約9.2ipm、「MP560」がカラー約6.0ipm/モノクロ約9.2ipmと普通紙でもキレイで速い印刷速度となっている。

ふたつめの「さらに美しく快適に」としては、見やすく操作しやすい大型液晶モニターを採用が挙げられる。「MP990」では過去最大サイズの3.8型TFTで、売れ筋モデル「MP630」でも従来機種より大きい3.0型となっている。そして、無線LANに対応した機種を「MP990」「MP640」「MP560」と3機種を用意。無線LANにより、「iPhone」「iPod touch」からのワイヤレスプリントも可能になっている。この「iPhone」用アプリケーションは10月以降にApp Storeからダウンロード開始予定だ。そのほか、USBメモリを挿すだけで画像を表示してプリントするダイレクトプリントにも対応する。また、写真内のエリアごとに明るさを補正する「エリア別明るさ補正」を新搭載。明るい箇所と暗い箇所が混在している写真でも、暗い箇所を補正することで全体的に明るく見やすい写真にしてくれる。さらにWebサイトを好きなスタイルで印刷するためのInternet Explorer7/8用プラグイン「Easy-WebPrint EX」を提供。Webサイト内の必要な部分だけ切り取って好きな大きさにリサイズできるうえ、複数のWebサイトから好きな部分を組み合わせて印刷できる。また、文書用に顔料インク、写真用に染料インクを用意することで、写真用紙には色鮮やかな写真を、普通紙にはシャープなテキストを印刷できる。無料ダウンロードコンテンツやWebアプリも充実するなど、快適に使えるような工夫をしている。

無線LANに対応し、iPhoneやiPod touchからのプリントも可能

専用ソフト「Easy-WebPrint EX」を使えば、Web内の必要な部分だけを切り出し、複数組み合わせて印刷できる。この「Easy-WebPrint EX」は検証がすべて終了しているわけではないが、数年前のキヤノンのプリンターでも利用できるとのこと

3つめの「新たな領域へ」として、新世代A3プリンター「PIXUS iX7000」が登場した。PgR技術で普通紙にカラーレーザー並みの高品位なテキストと美しい写真画質プリントが行える。センター給紙、3Way給紙、自動両面プリント、大容量カセットなどビジネスユースに適した便利な給紙仕様となっている。普通紙写真高画質プリントを求めるSOHOユーザーに向けて拡販していくという。実際、量販店でビジネス用途のためにA3対応インクジェットプリンターを買う事業所もあるそうだ。しかし量販店で販売されているため、どのくらいの市場規模があるかはつかみにくい。「PIXUS iX7000」の販売状況、ユーザーからのニーズを分析することで、新機種の開発、機能の拡充を検討していくとのこと。

4つめの「環境にも人にもやさしく」では、CO2削減、自動両面プリントなどのエコ機能を搭載。また、コンシューマー向けインクジェット複合機では業界初となるカラーユニバーサルデザイン(CUD)認証を取得。色覚の個人差を問わず、多くのユーザーに見やすく配置されたデザインとなっているとのことだ。

マーケティング戦略を説明するキヤノンマーケティングジャパン 常務取締役 コンスーマイメージングカンパニープレジデント 佐々木統氏