8月28日、ついに"Snow Leopard"ことMac OS X 10.6が正式リリースされた。2007年10月以来約1年10カ月ぶりのメジャーアップデートであり、ユーザが寄せる期待も大きい。Snow Leopardは"よりよいレパード"という位置付けの製品ながらも、Grand Central Dispatch、OpenCL、QuickTime Xなどなど、気になる新機能も多数装備されている。本稿では、数回にわけてSnow Leopardの実像を追いたい。

ついにリリースされたSnow Leopard。OSとしてのバージョンは「10.6」、数字の上ではメジャーアップデートに分類される

Snow Leopardのデスクトップ。微妙な違いに気がつく?

Finder

新Finderは512×512ピクセルという巨大なアイコン表示に対応した。以前からアプリケーションバンドルに収録されるアイコン(icnsファイル)は、Appleの開発方針としてサードパーティーも含め512×512ピクセルの高精細化が進められてきたが、新Finderの変化もその延長線上にあると考えていい。まずは、ウインドウ右下にあるスライダ(アイコン表示時のみ現れる)を左右へ動かし、アイコンが滑らかに拡大/縮小される様子を見てほしい。

Finderウインドウ(アイコン表示時)右下のスライダーを左右へ動かすと、最大512×512ピクセルまでアイコンを拡大できる

アイコンサイズの拡大とあわせて、ムービーとPDFのサムネイル表示もサポートされた。ファイルを開かずにすばやくプレビューするというコンセプトは、Leopardのとき「Quick Look」で実現されているが、このアイコンプレビューはそれを一歩前進させたもの。Quick Lookでは、ファイルを選択(シングルクリック)してからスペースキーを押下するという2ステップが必要だが、新FinderではシングルクリックでOKだ。

アイコンサイズを64×64ピクセル以上の大きさにすると、ムービーファイルのアイコン上に再生ボタンが現れる

メディアプレーヤーはもちろんQuick Lookも不要、すばやくムービーの内容を音声付きでプレビューできる

なお、Finderは今回のバージョン(10.6)から64bit化されている。コードは大幅に書き換えられ、注意して見ると変更が加えられた部分も少なくない。新Finderの詳細は、また日を改めてお届けしたい。

Finderの実行ファイル部分をfileコマンドで調べたところ。64bitのコードが格納されていることを確認できる