日本AMDは10日、都内で記者説明会を開催し、PCプラットフォームの製品戦略およびノートPCのバッテリ寿命表示に関する取り組みについて説明した。同社は次世代ノートPCプラットフォームとして「Tigris」(コードネーム)を開発中であるが、会場では、この動作デモも世界で初めて公開された。

米AMDプロダクトマーケティング担当副社長のLeslie Sobon(レスリー・ソボン)氏と、日本AMDマーケティング&ビジネス開発本部PCプラットフォーム・プロダクトマーケティング部長の土居憲太郎氏

超薄型とメインストリームに注力するAMD

説明者は、米AMDプロダクトマーケティング担当副社長のLeslie Sobon(レスリー・ソボン)氏。

氏はまず、昨年実施したというニーズ調査の結果から紹介。写真の編集やビデオの再生など、デジタルメディアを楽しむユーザーが過半数だったということで、強力なグラフィックス機能を持つ同社の優位性をアピールした。同社はこういった調査結果をもとに、将来のプラットフォーム戦略を計画しているという。

ユーザーのニーズ調査

AMDプラットフォームの優位性

モバイル分野では、同社は今年になって、超薄型PC(同社は"Ultrathin"と表現)向けに製品を投入。第1世代(シングルコアAthlon Neo+M690)に続き、第3四半期には第2世代(デュアルコアAthlon Neo+M780G)が登場しており、こちらもすでに11社から製品が発売されている。市場ではネットブックも増えてきているが、これに対しては「我々の技術はネットブック向けには最適化していない」(Sobon氏)として、差別化を図る意向だ。

同社によるモバイル市場のセグメント

下半期に登場するプラットフォーム

第2世代UltrathinプラットフォームとAtomの比較

さらにCULVとの比較も。同社は価格面で優位だという

メインストリーム向けのノートPCでは、年内に次世代プラットフォームの「Tigris」が登場する。市場で発売されるのは第4四半期になる見込みで、Windows 7にあわせて投入される模様だ。社名は公表されなかったが、8社から44種類以上の製品が出る予定ということで、MSIの試作機も披露された。

MSIのTigrisノート試作機。製品名は公表されなかった

デバイスマネージャでは、「M640」というモデルナンバーも

Tigrisプラットフォームでは、45nmプロセスのCPUとRS880Mチップセットが採用される。現行のPumaプラットフォームに比べると、「iPod向けのファイル変換で最大18%高速化」「デジタルメディアアプリケーションで最大42%性能が向上」「バッテリ持続時間が47分以上延長」などの性能向上があるという。

Tigrisプラットフォームの主な機能

現行のPumaプラットフォームとの比較

また、ノートPCの省電力技術を活かせるとして、SFF(超小型PC)や液晶一体型PCの分野にも注力しているという。これらは、縮小傾向が続くデスクトップ市場においても、成長が期待できる分野。SFFには65W、液晶一体型には45W/25WのCPUが提供されるが、どちらにおいても、シングルコアからクワッドコアまで幅広い製品が利用できる。

デスクトップ分野の中でも、SFFは成長が期待できる

久しぶりに「DTX」の文字が……。それにAthlon II X4とは?