大日本印刷(DNP)は7月23日、グラビア印刷技術を用いた有機ELパネルの開発に成功したことを明らかにした。

同社はこれまでも有機材料をインキ状にすることが容易な高分子系有機ELを用いて、高精度グラビア印刷技術を活用する製造技術の開発に取り組んできたが、今回、300mm角のガラス基材にグラビア印刷で、高分子系有機EL材料を数nmの膜厚精度で塗布した有機ELパネルを開発した。

試作された有機ELパネルは、独自に加工した特殊インクを用いて、約60nmの正孔注入層、約20nmの正孔輸送層、約80nmの発光層の3層の有機EL層を形成。3層の膜厚は、それぞれ±4%以内のばらツキに抑えており、輝度ムラも確認できなかったという。また、12Vの駆動電圧で、輝度100cd/m2の発光を達成したという。

試作された高分子塗布型有機ELパネル(サイズは32mm×192mm×1.4mm、ピッチ1.00mmでドット数は32×192ドット。駆動方式としてはパッシブマトリクス駆動を採用)

試作された高分子塗布型有機ELパネル(サイズは37mm×110mm×1.4mm、ピッチ1.15mmでドット数は32×96ドット。駆動方式としてはパッシブマトリクス駆動を採用)

同社では、今回はガラス基板を用いたが、プラスチックを基材とすることで、軽くて薄いフレキシブルなディスプレイが可能となり、ポスター・POP・販売台などの販促物への組み込みや設置が容易になるとしており、今後は、独自に開発した印刷法を活かし、有機ELの明るく、薄く、軽いディスプレイという特長を活かした製品開発を進め、文字などの可変情報を表示できる薄型の電光表示パネルとして2010年の実用化を目指すとともに、2012年度までに約12億円の売上高を見込むとしている。