Appleがイタリアン・マフィアと結託してある人物を脅迫している――こうした主張を理由に米Appleや関係者らを訴えた訴訟が米国で話題になっている。同社が販売しているiPodに受信機を仕込み、マフィア組織から距離を置いていた同人物に対して脅迫メッセージの送信を許したというのがその理由だ。

訴訟を起こしたのはGregory McKennaという人物で、米ミズーリ州東部地区連邦地方裁判所に7月15日(現地時間)付けで告訴状が提出されている。McKennaは以前、ニューヨークにあるモデル事務所で働いていたことがあるが、これがマフィアのフロント企業だったという。訴状によれば、McKennaは2000年に同事務所を辞めて故郷の米ミズーリ州セントルイスへと戻ったが、その後マフィアの構成員がセントルイスのナイトクラブに出現し、同氏に元の仕事(モデル兼同性愛関連の性的仕事)へと戻るよう脅迫を始めたという。そして、ストーキングや嫌がらせ、誘拐などの行為へとエスカレートし始めたのが同氏の主張だ。地元警察やFBIに相談したものの、こうした主張は相手にされなかったようだ。訴状の被告欄には、こうした警察関係者のほか、米Appleを含む10の団体と人物がリストアップされている。

McKennaは、自身の家から愛車まで、生活範囲のありとあらゆる場所に盗聴器が仕掛けられたと主張している。iPodもその1つで、音楽を聴いている間もそのリズムに合わせてマフィアの警告メッセージが送り届けられていたという。問題となったiPodは2つあり、1つは2005年にeBayで購入したiPod shuffle、もう1つが2006年にApple Storeで購入した新品のiPod miniだ。ここで購入されたiPodにはすでにマフィアらの手による受信機が仕掛けられており、死の脅迫メッセージが流れ続けていたというのだ。だが一部のメディアで指摘されているように、購入時期の半年以上前にはすでにiPod nanoが発表されており、iPod miniはすでに生産中止となっている。