プロジェクト発足から約8年半、ついにバージョン1.0へ到達した「VLC」

VideoLANプロジェクトは7月7日 (フランス時間)、オープンソースのマルチメディアプレイヤー「VLC media player 1.0.0」を正式公開した。WindowsとMac OS X用バイナリパッケージのほか、各種UNIX系OSやWindows CE向けのコンパイルも可能なソースコードがGPLv2のもと公開されている。

VLCは、多数のコーデックをサポートしたマルチプラットフォーム指向のマルチメディアプレイヤー。2001年にフランスの高等教育機関エコール・セントラル・パリの学生により開発がスタート、当初はVideoLAN Clientという名称のストリーミング映像受信用クライアントと位置付けられていたが、多数のコーデックに対応するマルチメディアプレイヤーとしての機能を強化する方針に転換。FFmpegなど外部オープンソースプロジェクトの成果を取り入れ、開発が続けられてきた。

初のメジャーリリースとなる今回のバージョンでは、再生可能なコーデックが増加。AES3やDolby Digital Plus、TrueHD、Blu-Ray Linear PCM、Real Video 3.0 / 4.0など、HD時代のビデオ / オーディオコーデックが新たにサポートされた。Matroskaフォーマット (.mkv) でRealVideoやDiracがサポートされるなど、デマルチプレクサの機能も改良されている。

ほかにも、フレーム単位での操作や再生速度調整の改良など再生機能の強化、GTK+やQtを使用する環境向けのユーザインターフェイスの操作性向上などが行われている。

HD時代のコーデックを多数サポート、高品質な映像 / 音声をいろいろなプラットフォームで楽しめる