ここ最近、PC以外にも、デジタルオーディオプレイヤーやスマートフォン、携帯ゲーム機など、無線LANでネットに接続できるデバイスが増えつつある。それにともない、従来の無線LANルータだと運用面で問題が生じるケースも出てきている。

たとえば、セキュリティの問題。無線LANには「WEP」や「WPA/WPA2」など複数の暗号化方式が存在する。できるだけ安全性を考えてWPA2などの高度なセキュリティを設定したいところだが、ゲーム機などの中には、ニンテンドーDSのようにWEPにしか対応していないものもある。また、ニンテンドーDSi自体はWPA/WPA2もサポートしているが、専用ソフトではない場合WEPしか利用できない状態となる。そのため、ゲーム機とPCを同時に接続する場合、ゲーム機側に合わせてセキュリティを低く設定しなければならないことが多い。

こうした問題に対処するため、最近は、1台で複数のアクセスポイント名(SSID)を設定できる無線LANルータが増えてきている。本製品「AtermWR8150N」もそのひとつ。「マルチSSID」機能を搭載しており、複数のSSIDを設けて、それぞれに異なるセキュリティを設定できる。たとえば、ひとつ目のSSIDはWPA2-AESなどの高度なセキュリティ設定にしてPCを接続し、ふたつ目のSSIDはWEPを設定してゲーム機をつなぐということが簡単に行える。

本体前面の「らくらくスタートボタン」。長押しするだけで、PCやゲーム機など、さまざまなデバイスに設定情報を転送可能

しかも、本製品には「らくらく無線スタート」機能が搭載されているため、本体前面の「らくらくスタートボタン」を押すだけで、PCやゲーム機に設定情報を転送することができる。「WEPって何?」というネットワーク初心者であっても、比較的簡単に接続設定を行うことが可能だ。

なお、無線LANが内蔵されていないPCの場合は、USB接続タイプの子機「AtermWL300NU-G」(PA-WL300NU/G)がセットになった「AtermWR8150N USBスティックセット」(PA-WR8150N/NU)を利用すると便利だ。製品に同梱のCD-ROMからドライバとユーティリティをインストールして子機をPCに接続し、親機(ルータ本体)の「らくらくスタートボタン」を押せば設定が完了する。親機との接続状態は、タスクトレイに常駐する「サテライトマネージャアイコン」で簡単に確認可能。電波の状態も4段階で表示してくれる。

「AtermWR8150N USBスティックセット」(PA-WR8150N/NU)付属のUSB接続タイプの子機、「AtermWL300NU-G」(PA-WL300NU/G)。USBフレキシブルケーブルも添付されており、無線LANが内蔵されていないPCの場合はこの子機を使うと手軽に無線接続ができる

タスクトレイに常駐する「サテライトマネージャアイコン」。電波の状態は4段階に分けて表示してくれる