マイコンを使った電子工作では、以前は「Gainer」が目立っていたような気がするのだが、今回は「Arduino」のユーザーがずいぶんと増えた印象だった。ここでは、電子工作関連の作品を紹介してみたい。

イタリア発のオープンソースマイコン

Gainerは基本的に、PCにデジタル/アナログ入出力を追加するためのデバイスなのだが、Arduinoは単体での動作も可能なマイコンボード。開発環境が簡潔で、初心者でも使いやすいのが特徴だ。

マイコン向けの開発環境というと、ルネサスだと「High-performance Embedded Workshop」(HEW)、フリースケールだと「CodeWarrior Development Studio」のように、統合開発環境(IDE)の無償版も提供されている。しかし、もともとがプロ向けの製品なだけに、多機能な一方で、複雑なオプションなど、初心者には分かりにくい面もあった。

スイッチサイエンスのArduinoセット

Arduinoは、アーティスト、デザイナー、ホビーイストなど、プログラマー以外でも使いやすいよう設計されている。XBee、LANなど、「シールド」と呼ばれるオプションボードを追加することで、機能を拡張することも可能だ。

スイッチサイエンスのブースでは、Arduinoの「はじめようセット」が販売されていた。価格は4,200円。Arduinoボードに、ブレッドボード、LED、スイッチ、光センサなどが付属したもので、買ってすぐ簡単な工作を始めることができる。

基板にはイタリアの地図が印刷されている

ブレッドボードを使った電子工作キット

シリコンハウス共立のブースでもArduinoは販売されていた。こちらは、それ以外にブレッドボードを使った電子工作キットも面白かった。必要なパーツは全て入っており、ハンダ付けも不要。LEDの点滅、簡易テルミン、電子オルゴールなどがあり、価格も1,000円以下と手軽だ。

ハンダ付け不要で電子工作を楽しめる

こういう家電製品もあり?

ハードグルコースの「盛り上がりテレビ」はアイデアもの。2chの実況板をモニターしており、盛り上がっている(=コメントが多い)チャンネルに自動でテレビを変更するシステム。電光掲示板にコメントを表示していく機能もある。製品として発売されても面白いのではないだろうか。

右のサーバー側で2chをモニターしている。XBeeでテレビ側に送信

動画 - 「盛り上がりテレビ」
2chのコメントを見ながらテレビを楽しめる

衛星トラッキング

上のモーターについた棒が衛星の位置を指し示す

電源ケーブルを忘れたということで、動いているところを見ることはできなかったのだが、鳥人間の「Satellite Tracker」は、国際宇宙ステーションやハッブル宇宙望遠鏡の軌道を計算し、現在位置を指し示してくれるというデバイス。国際宇宙ステーションなどは肉眼でも見ることができるので、観察するときに便利かもしれない。

もちろん、モーターは2軸分搭載している