933SHの液晶はフルタッチパネル仕様。画面をタッチしてさまざまな操作ができることも利点だ。カメラ使用時は、このタッチパネルが多いに役立つ。被写体を捉えたままで各種撮影設定、ズームや露出の調整などが行えるのだが、これが非常にわかりやすい。液晶が高精細なので小さな文字がくっきり見えて、マニュアルを見なくても、自分がしたい設定がすぐに行えるのだ。1週間ほど使ってみたが、まだ一度も取扱説明書を開いておらず、むしろ、使いながらいろいろな機能を発見していくのが楽しく感じられた。

フルワイドVGA液晶なのでアイコンが見やすい

933SHは、カメラが自動的に被写体を認識して、その被写体に最適な設定が自動で行われる機能を備えている。自動で認識されるシーンは「人物」「風景」「夜景」「夜景+人物」「料理」「テキスト」「名刺読み取り」「バーコードリーダー」の8種類だ。写真としての対象だけでなく名刺やバーコードが組み込まれているところに、カメラメーカーではなくケータイメーカーとして先進性を追求してきたシャープらしさを感じた。

ユーザー自身が設定できる「シーンセレクト」は36種類が用意されている。「人物(屋外)」「人物(屋内)」「風景」「夜景」「スポーツ」など、デジカメの「シーンセレクト」でお馴染みのものから、「カラオケ」「自分撮り」「パノラマ」などユニークなシーンも用意されている。「前回の設定」という項目もあり、使い続けていくと、これが意外に重宝した。

基本的にユーザーが設定しなくてもデフォルトの「自動認識」で撮影すれば、ほぼ間違いなくキレイに撮れる。露出も驚くほど適正に設定される。しかし、タッチパネルの操作が簡単で楽しいので、ついつい設定を変えて撮りたくなる。933SHを使い始めると、自ずとケータイカメラで撮影する機会が増えることだろう。

36種類から選んで設定できる「シーンセレクト」

画面に表示されるスライダーを指でなぞって露出補正ができる

ISO12800相当の高感度で撮影できることも大きな魅力だ。ただし、カメラ好きな人の中には、感度を上げることによってノイズが目立ったり、自然な色調が損なわれたりすることを嫌う人もいるだろう。筆者もそういうタイプで、普段デジカメで撮影するときはISO感度を800までにしか上げないようにしている。933SHでは「オート(〜800)」「オート(〜3200)」「高感度オート(〜12800)」の設定が可能で、画質を優先するか、明るさを優先するかをユーザー自身が選べるようになっている。

一般的なケータイに搭載されているモバイルライトよりも明るいLEDフラッシュも搭載されているので、撮影状況に応じて、さまざまな使い分けができる。筆者は仕事仲間とカラオケに行った際に、高感度撮影を試してみた。写された側の許諾を得られず、ここに掲載できないのが残念なのだが、高感度+被写体を追いかけるAFの恩恵で、実に臨場感あふれる写真が撮れた。

ISO感度は任意の設定ができるほか「オート」も3種類を用意

動く被写体を追いかける「コンティニュアスAF」など多彩なフォーカス設定が可能