HDEは6月10日、携帯キャリア/ISP向けメール配信サーバの最新版「HDE Mobile MTA 3」を6月17日より全国のパートナー・ソフトウェア販売代理店経由で販売開始すると発表した。価格は1サーバ当たり210万円。

同製品は、携帯キャリアやISPのメール送信に関する配信制限に基づいて携帯3キャリア(DoCoMo、au、ソフトバンク)/ISP向けにメール配信のスピードを調整し、エラーメールの解析や接続先の調整などを行うことで、メールの遅延を回避する。また、企業向けに、情報漏洩防止のための「エンハンスドBCC」機能(エンベロープ情報も含めた配信メールをそのままの形でアーカイブ先に送信する機能)や、配信制御のための「インテリジェンスリレー」機能(任意のメールヘッダ情報を基に転送先サーバを設定できる機能)も備えている。

携帯キャリアやISPの配信制限は大まかにしか公開されておらず、また、日々変更される。そのため、正確なメール配信を実現するには、ノウハウが必要である上、常に動向を監視していなくてはならない。そこで、同製品を導入することで、携帯キャリアやISPなどの配信ブロックを回避しながら、メールを大量かつ正確に配信することが可能になる。

携帯キャリア各社の配信制限の例 *資料 HDE

今回、Windows Server 2008 R2への対応と再送信としてスプールに蓄積したdeferralメールの優先度を調整できる「プライオリティ付き再送信機能」が追加された。

また、メール配信遅延を防ぐための機能として、配信先MTAが接続できない時のブラックリスト機能(接続規制リスト)が強化され、一定期間の接続を制御することで配信パフォーマンスの悪化を防ぐ機能が追加された。

動作環境は、Red Hat Enterprise Linux 4 AS/ES for Intel x86/Intel EM64T、Red Hat Enterprise Linux 5.1/5.2/5.3 Server for Intel x86/Intel EM64T、Microsoft Windows Server 2008(64ビット版)、Microsoft Windows Server 2008 R2(64ビット版)。Microsoft Windows Server 2008(64ビット版)の発売は7月1日が予定されており、Microsoft Windows Server 2008 R2(64ビット版)への対応は製品版が正式にリリースされた後となる。