"百聞は一見に如かず"だ。Wolfram|Alphaを理解するには、実際に使ってみるのが最短の近道である。いくつか検索例を紹介しよう。

たとえば[Intel AMD]と入れると、IntelとAMDの株価、ファイナンシャル情報を様々な角度から比較したデータが示される。ファイナンシャル情報を四半期ごとのバランスシートや所得表に換えたり、株価のグラフの表示期間を設定したりなど、結果はユーザーが柔軟に変更できる。

Wolfram|AlphaでIntelとAMDを比較

[Japan GDP per capita vs USA GDP per capita]と入れれば、日本と米国の1人あたりGDPを比較したデータが返ってくる。[earthquakes in Japan]だと、日本での地震に関するデータを呼び出せるマップが表示される。「南備讃瀬戸大橋とサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ、どちらの吊り橋の方が長い?」と疑問に思ったなら、[length of the Minami Bisan-Seto Bridge vs Golden Gate bridge]だ。[life expectancy of male 35 Japan]と入れれば、日本人の35歳男性の推定寿命や年齢ごとの生存率などが分かる。これらをGoogleで検索すると、関連性の高いWebサイトへのリンクがリストされ、それらのWebページをブラウズしながら結果的に同じ答えを見つけ出せる。だが、時間がかかるし、情報の確証を得る必要もある。この答えをWolfram|Alphaでは直接的に得られるのだ。

南備讃瀬戸大橋とゴールデンゲートブリッジの長さを比較

35歳日本人男性の推定寿命と生存率

確かなデータであっても、百科事典的なWolfram|Alphaには不得意な質問もある。たとえばGoogleで[San Francisco Giants score]と検索するとサンフランシスコ・ジャイアンツの最新ゲーム結果が表示されるが、Wolfram|Alphaは答えられない。[San Francisco Giants hits]なら対応できる。WolframはWolfram|Alphaのナレッジ・ベースがカバーする範囲や質問例をまとめたサンプルページを用意している。

Googleでは[San Francisco Giants score]で最新スコアがトップになるが・・・

日本語には未対応で英語で質問する必要があるものの、クエリーの書き方はシンプルに徹した方が受け入れられやすいので、それほど高いハードルではない。個人の非商用利用ならば、Wolfram|Alphaは無料。大規模利用および商用利用向けに、より多機能なサブスクリプション・サービスを提供する計画だという。まだ試験サービス段階だが、Wolfram|Alphaのサイトでは、ツールバー(Internet Explorer、Firefox)、Internet Explorer 8用アクセラレータ、Windows Vista用ガジェット、Mac OS X Dashboard用ウイジェット、iGoogleガジェットなどのWolfram|Alphaツールの提供も始まっている。