「日本企業の経営者は、今後の海外展開を考えると、社員の英語力強化は避けて通れない」

景気低迷があらゆる市場に影を落としている昨今、意外なことにGABAに通う生徒、とりわけビジネス英語を学ぶために来ている生徒の数や法人契約数は減る様相を見せない、むしろ増加傾向にあるという。その理由を上山氏は「日本企業の意識が変わってきたからではないか」と分析する。「金融危機の今だからこそ、社員ひとりひとりのスキルがよりきびしく問われる。また、日本企業は今後、最初から海外展開を見据えた事業戦略を立て、海外企業と闘っていかなくてはいけない。そう考えると英語はもはや、日本企業にとってのインフラと言ってもいい」(上山氏)

だがそうは言っても、日本にいる限り、英語を使う機会がそう頻繁にあるわけではないこともまた事実。そこで英会話学校の出番となるわけなのだが、この数少ない機会をより効率的に活かすために、GABAでは基本的にすべてのレッスンを講師(インストラクター)1名につき生徒1名のマンツーマン形式で行っている。「英語の上達には英語に触れる時間をできるだけ長く取ることが欠かせない。だが通常の英会話学校で行っているような、講師1名に付き4、5名の生徒、というグループレッスンでは、ひとりひとりが英語を話せる時間はどうしても少なくなってしまう」(上山氏)、たいていの生徒は話せるようになりたくて英会話学校に通うわけで、肝心のその話す時間が少なければ上達も遅くなるのは、たしかに予想がつく。「レッスン時間は1回40分。生徒の皆さんにはできるだけ定期的に通うクセをつけていただくことをお勧めしている。限られた時間内で効果を出すためにも、月7回は来てほしい」(上山氏)という。

仕事を持っている人はなかなか時間を取りにくいことを考え、GABAではレッスン開始時間を早朝から夜まで設定している校舎(ラーニングスタジオ)が多い。「朝の始業前、いわゆる"before 9"という時間帯に注目し、午前7時からレッスンを受けることができる」(上山氏)という。大手町のようにビジネスパーソンの需要が多いラーニングスタジオでは22時までレッスンを受け付けているので、終業後にしか時間が取れない人でも通いやすいというメリットがある。

4月1日にオープンした「Gabaマンツーマン英会話 大手町ラーニングスタジオ」は15のレッスンブースを備えた大手町駅直結のスクール。ビジネス街にあるスクールらしく、シンプルで落ち着いた空間を意識している。平日は午前7時から午後10時まで受講可能

PCや携帯電話から受講者個人のレッスン履歴を見ることができる「myGaba」では、講師からのメッセージを読んだり、オンライン教材による学習も可能。予約の申し込み/確認もできる

肝心の"ビジネス英語"の内容だが、生徒のスキルに合わせ、レベルを1から10まで設定しているという。「英語が苦手なのに、いきなり海外の顧客と電話で交渉を行う部署に回された、来月から急に海外赴任を命じられた、など、目的と期日がはっきりしていればより対応しやすい」と上山氏。TOEICの点数を次回までに伸ばしたい、というリクエストもあるという。「GABAでは、シチュエーション別の英語を身につけてもらうことを重視している。電話ではどう会話をスタートするのか、スモールトークではどんな話題を選ぶのか、ニュースを読むときはどんな点に気をつけるのか…ビジネス英語はとくに、このシチュエーションをできるだけたくさん覚えてほしい」と上山氏は言う。日本語と同様、ビジネスではその場にふさわしい言葉使いが求められる。とくに会話では決まり文句が重要なので、そういったフレーズを何度も繰り返す機会が必要だ。文法や語彙の強化よりも、シチュエーションに応じた表現が自然に口から出ることをまず目指す。「GABAはマンツーマン方式なので、対面式の練習の機会をより多く提供できる」(上山氏)