ドイツ北部・ハンブルク空港からほど近い場所に位置するノーダシュテット。そこに環境先進国ドイツでも先端的である地熱システムを利用した「エコオフィス」が誕生したという。百聞は一見に如かず。さっそく、真新しいカシオ欧州(Casio Europe)新社屋を訪ねてきた。

最寄り駅からタクシーを走らせること15分。市が誘致を進める新商業地区、まだ周囲には野原が広がる穏やかな土地を眺めていると、一面ガラス張りのオフィスが目に飛び込んできた。

カシオ欧州新社屋。6階建てのオフィス部分は上空から見ると「CASIO」の「C」を象るようにコの字型に設計されている

約1年ほど前に起工された、総床面積35,000平方メートル(オフィス棟7,000平方メートル、物流センター20,000平方メートル、駐車場)という大規模な社屋は2008年12月に完成。今年1月より徐々に移転を開始し、それに伴いハンブルク周辺に分散していたオフィスや物流倉庫の集約を図っているという。

ガラス張りのオフィス棟に隣接して建てられているのは物流センター

周囲はいまだ開発中とばかりに野原が広がる

もともとカシオ欧州は、1972年にハンブルクに設立。カシオ計算機の海外現地法人としては、欧州で最も長い歴史をもつ。当初は、同じく販売会社が設置されたイギリスに欧州本部が置かれていたが、2002年初頭よりカシオ欧州が、ヨーロッパ各国、特にユーロ圏を統轄する拠点となった。ベルギー・アントワープにあった倉庫機能もドイツに完全移行。地理的に離れているノルウェーとスペインに一部の倉庫機能をもち、基本的にイギリス以外のヨーロッパ諸国全ての物流はカシオ欧州でまかなわれる。今回、新社屋に管理機能を集約することで、欧州の"本部"としての体制を強化する目的もあるという。

エントランスに向かう橋の下には人口池が設けられ、なんとも涼しげ

ドイツと言えば、世界でも有数の環境先進国として知られているが、カシオ欧州が採り入れた最先端の省エネ設備とは一体どんなものなのだろうか? 「ペンキ塗り立て注意!」という貼り紙にまだまだ"新鮮"な社屋の気配を感じつつ、早速、オフィス内を見学させていただいた。……続きを読む