今回リリースされた新しいMacBook Pro 17インチ (以下、新MacBook 17") は、2008年秋に発売されたMacBook / MacBook Pro 15"と同様、外装とボディフレームが完全に一体化された「ユニボディ」を採用。標準でIntel Core 2 Duo 2.66GHz (BTOで最大2.93GHzに換装可) / 4GB RAMを搭載、GPUもNVIDIA GeForce 9600M GTと9400Mの2基を搭載するという、ハイスペックなノート機だ。液晶パネルは17インチという大きさに加えガンマ特性も高く、写真のレタッチなどの作業にも耐えうる仕様となっている。

新MacBook Pro 17" (右) はユニボディ化され、旧MacBook Pro (Late 2006) と比べてもフォルムの美しさは歴然

しかし、新MacBook Pro 17"最大の特徴は、なんといっても「バッテリー」。前モデルと比較して約60%の耐久力アップ、連続使用時間は約3時間増の8時間となった。いわゆる"9時5時"の勤務時間内を、充電無しに使い続けることが可能になったわけだ。

最大充放電回数も大幅に増加。従来のMacBook / MacBook Proに採用されていたリチウムイオンバッテリーは、充放電は最大で300回程度 -- 使い方や保管の温度など条件次第では減少する -- とされていたが、新MacBook Pro 17"では1,000回と約3.3倍に増えた。電源ケーブルを接続した状態で長期間使い続けるなど、不適切な使い方をしないかぎり、フル充電 (バッテリー電力をすべて使い切った状態からの充電で1回とカウント) を1日1回したとしても、2年9カ月は交換の必要がない計算になる。実際には1日1回のペースで充電することは希であり、1週間に4回とすると、Appleが主張する5年というバッテリー寿命が見えてくる。

長所の一方では短所も。本体底面を見ればわかるが、バッテリーを脱着する機構がない。バッテリーに寿命がきて交換が必要になったときには、アップルストアや正規サービスプロバイダ (AASP) に持ち込まなければならないのだ。当然、複数のバッテリーを持ち歩き必要に応じて交換、というパワーユーザの技は使えない。アップルストアでは事前に予約さえしておけば、当日の引き渡しも可能とのことだが、急に"ヘタり"が生じた場合の迅速な対応は難しいことになる。アップルは1年限定保証期間を超えて保証しないということも、考慮に入れておいたほうがいいだろう。

本体底面にバッテリーを取り出すための金具類は一切ない

ユーザの手によるバッテリの交換ができなくなったことに伴い、本体底面から交換用の機構はすべて取り除かれた。底面は"ツルリ"としており、バッテリーチェッカーも本体側面へ移動してしまった。ただし、メモリまたはHDDの交換を行う場合は、面倒でもネジ止めされた底面フタを外さなければならない。継ぎ目がないユニボディの美麗さと引き換えにメンテナンス性が低下した、と納得するしかなさそうだ。

旧MacBook Pro 15" (Late 2006) と比べると、ゴム足が大きくなっていることがわかる

バッテリーチェッカーは本体側面に移動、裏返さずに残量をチェックできるようになった

システムプロファイラでバッテリー情報を確認したところ。完全充電時の容量に注目