昨年6年ぶりに「BASELWORLD」に復帰し、話題を呼んだカシオ計算機。今年も同フェアに参戦したカシオが、得意とするエレクトロニクス技術を活かした新作ラインナップを披露した。

「マルチバンド6」の強化を

まず、2009年は昨年開発した世界6局(日本2局・中国・アメリカ・ドイツ・イギリス)の標準電波を受信する電波受信機能「マルチバンド6」搭載モデルのラインナップ強化を図る同社。主力ブランドとなる「G-SHOCK」「EDIFICE」をはじめとして、「Baby-G」「PROTREK」「OCEANUS」など各ブランドで展開を進めている。

「G-SHOCK」コーナーでは、パイロット仕様ウオッチ「GW-2500」がお披露目

カシオの顔とも言うべき「G-SHOCK」コーナーでは、G-SHOCK初となるパイロットウオッチ「GW-2500」を大々的に展示。同モデルでは、大型ボタンや視認性の高いフェイスなど操作性にこだわりつつ、世界6局の電波受信機能を搭載している。また、女性用耐衝撃ウオッチ「Baby-G」コーナーでは、「CASKET(カスケット)」シリーズの「BGD-1100/1110」、海外市場向けの「BGD-102」をメインに据えていた。スクエアフェイスを特徴とするBGD-1100/1110も、世界6局の標準電波受信機能を備えている。

「Baby-G」コーナー。バングルのようにアクセサリー感覚で使える「BGD-1100」(左)

さらに、アウトドアウオッチとして高い支持を集める「PROTREK」シリーズからも、厚さ11.3mmの薄型かつマルチバンド6対応の「PRW-2000」を発表。こちらはヨーロッパや中国、台湾などに向けた商品となるが、国内向けにはプロ仕様に適した薄さを実現した「MANASLU」の特別仕様モデルとなる「PRX-2000YT」も発表された。

「PROTREK」コーナー。多機能ながら薄型を実現した「PRW-2000」(左)

カシオ流のアナログウオッチ

アナログウオッチの分野においても積極的な展開を見せており、”エレガンス&テクノロジー”をコンセプトとする「OCEANUS」ブースでは、同シリーズのプレミアムライン「OCW-S1200」をベースとした特別仕様モデル「OCW-S1250TC」をお披露目。ベゼルリングにブラックセラミックを採用するなど、精悍な印象を与えるデザインとしていた。

「OCEANUS」展示の様子。「OCW-S1250TC」(左)ももちろん世界6局の電波受信に対応する

一方、「静」のイメージをもつOCEANUSに対して「動」という位置づけにある「EDIFICE」。海外で先行販売され日本にも2月に上陸した同シリーズの特徴は、モータースポーツをテーマとしたモデルへの注力。昨年はF1ドライバー(当時)のデビッド・クルサード選手をイメージキャラクターとして起用してプロモーション活動を展開していたが、今年も新たなアンバサダーが発表された。

「EDIFICE」コーナー。残念ながら日本では発売未定の「EF-535」(左)

2009年のEDIFICEの顔となるのは、Red Bull Racing F1チームのSebastian Vettel選手とMark Webber選手。ブースでは、3D文字板を搭載する「 EQW-M1000」や「EF-535」などが並んでいた。車のブレーキディスクをモチーフとしたディスク針を採用するなど、モータースポーツファンの心をくすぐる仕掛けが用意されている。伝統あるスイスブランド(=クラシックミュージック)に対して、自らを「ロックミュージック」と称するカシオ。展示ブースでは、同社の技術に裏打ちされた斬新なアイディアを垣間見ることができた。

3D文字板搭載の「EQW-M1000」

Sebastian Vettel選手(右)とMark Webber選手