大日本印刷(DNP)は2月23日、20nmプロセス以下の次世代半導体用フォトマスクやナノインプリント用テンプレートの製造に対応する解像力と感度を有するフォトレジストの開発に成功したことを発表した。

これまで、20nmプロセス以下の微細パターン形成には、感度が低いフォトレジスト「非化学増幅型レジスト」が用いられてきたが、描画や露光に多大な時間が必要であるため、生産性の問題があった。また、現在のフォトマスク用レジストとしてもちいられてきた一般的な「化学増幅型レジスト」では、解像力に限界があり、20nm以下のパターン形成は困難であった。

同社では、化学増幅型レジストの主要成分である5~10nm程度の大きさの高分子では、バラつきが大きく微細パターン形成が難しいと判断し、分子サイズがより小さく、均一な低分子の化合物に置き換えることで、バラつきを抑制することに成功した。

これにより開発された化学増幅型レジスト(ネガ型)は、従来フォトレジスト比で感度が約100倍、解像力も世界最高レベルを実現したとしており、20nm以下の微細プロセス形成時の高い生産性が可能になるとしている。

線幅、スペースともに19nmのパターン形成を実現

SEM写真

なおDNPでは、2010年度中に自社製品のフォトマスクやナノインプリント用テンプレートなどで、今回開発したフォトレジストの実用化を目指すとしている。