小型軽量な専用クライアントマシンを利用し、外出先からでも自宅のデスクトップを操作できるホームサーバ・クライアントソリューション「Lui」。ディスプレイの表示内容やキー操作などをそのままネット越しに転送するので、動画ファイルの再生(著作権保護のかけられた一部ファイルを除く)などを含め、自宅マシンのほぼすべての機能をネット経由で使えるのが特徴だ。

PCIスロットに装着することで一般のデスクトップPCをLui対応マシンにできる「PCリモーターサーバボード」

これまで、操作される側のデスクトップPCには「Luiモデル」と呼ばれる専用機種が必要だったが、1月末に単品発売された「PCリモーターサーバボード」を利用すれば、他社製品や自作PCを含む多くのPCをLui対応マシンにすることができる。これまで「当分マシンを買い替える予定がない」「デスクトップPCは自作と決めている」といった理由で導入を最初からあきらめていた人には朗報だ。

PCリモーターサーバボードの実機に触れてみたので、2回にわたってその仕組みや使用感をお伝えしたい。前編の今回は、PCリモーターサーバボードのハードウェアそのものと、新製品で新しく対応したリモートデスクトップ機能について紹介する。

Luiの仕組みを復習

まず、Luiの仕組みを簡単におさらいしておこう。システムは、Lui対応デスクトップPC(PCリモーターサーバボードを装着したPC)と、そのPCを遠隔操作する「PCリモーター」と呼ばれる子機から構成される。子機はWindows CEで動作するいわばシンクライアントで、基本的にはLui対応デスクトップPCから転送されてきた画面を表示し、キーやマウスの操作をデスクトップPCに送り返す機能を搭載している。子機はノート型の「Lui RN」と、PDAやスマートフォンのような形状の「Lui RP」の2種類が用意されており、基本的にはどちらも形状以外はほぼ同じ機能を有している。

子機に相当するPCリモーターには、ノート型の「Lui RN」と、ポケッタブルな「Lui RP」が用意される

Lui対応デスクトップPCに搭載されたPCリモーターサーバボード(以下「サーバボード」)は、デスクトップPC本体の状態とは関係なく、あらかじめ指定された電子メールアカウントを常時監視している。子機から呼び出しのメールが届くと、自分のIPアドレスなどを通知し、デスクトップPC本体がスリープ状態などの場合は起動の指示を出し、子機への画面の転送が始まるという仕組みだ。実際にはユーザーが呼び出しのメールを書いて送る必要はなく、子機の画面上で接続ボタンを押すとこれらのやりとりは自動的に行われる。